毎週金曜日に更新している【ITおじさんの、楽に・楽しく・情報化シリーズ】連載の第14回です。
時間の効率化を図るツールに続いて、前回からは場所の制約を最小限に留める工夫についてご紹介しています。
【時間効率化ツールの過去記事】
RSSリーダー(1)、RSSリーダー(2)、Google検索(1)、Google検索(2)、Googleカレンダー、Gmail
連載第13回では、個人がクラウドストレージまたはオンラインストレージと呼ばれる(無料)サービスを活用して、いつでもどこでも欲しいデータにアクセスする方法について、そのサービス内容等をご紹介しました。
(ストレージとは「外部記憶装置」です。PCであればハードディスク装置がストレージになります。クラウドというインターネットに繋がった世界に存在する巨大な記憶装置がクラウドストレージになります。)
◇◇◇ クラウドストレージを使うリスクとは? ◇◇◇
一方で、無料サービスの裏には突然サービスが停止したりする可能性が潜んでいることや、大事なデータをクラウドの世界に存在している会社に預ける不安もあることに触れました。
現在、法人でのサービス利用がコンプライアンス上の問題等で制限されているケースが多いのも、やはりリスクマネジメント上、やむを得ない部分があります。
ただ、業務効率の面では様々なクラウドサービスが使えないと大変不便なので、個人ベースで使っているケースは多く、企業サイドもその使用を制限しきれていないのも現実のようです。やはり、このへんはまだ発展途上の技術と言わざるを得ません。
今回は、実際にサービスを提供している会社の利用規約がどうなっているのか、少しその中身を確認してみます。生命保険契約の約款のように小さい字で書いてあるので読む人はあまりいないと思いますが、サービス内容に不安がある場合は利用規約の内容を確認するしかないと思います。^^;
全部を掲載するのもなんですので、代表的な4つのクラウドストレージサービスについて利用規約の抜粋を見てみましょう。それぞれの名称に利用規約のリンクを張りました。
1. Sky Drive (Microsoft)
当社があなたにライセンスするものを除き、当社はあなたがアップロードするコンテンツの所有権を主張することはありません。あなたのコンテンツは、あなたのものです。
2. Google Drive
当社サービスにコンテンツをアップロードすることにより、あなたは当社及びその提携先が世界中の国においてそれらを利用し、ホストし、保存し、再利用し、訂正し、派生コンテンツを制作し、転載し、公開し、上演し、陳列し、配布することを認めたものとします。
3. Dropbox
お客様は本サービスを利用することにより、Dropbox に提出した情報、ファイル、およびフォルダ (総称して「お客様の素材」) を当社に提供することになります。
4. Nドライブ (NAVER)
利用者は、公開投稿コンテンツを含むすべての投稿コンテンツに対して有する権利を従前どおり保持し、当社がかかる権利を取得することはありません。
どうでしょう?これほど表現が違うのですね。勿論、利用規約の一部抜粋なのでこれだけ見て早合点してはいけません。Google Driveの抜粋を見ると「えっ?」と思いますが、Googeが個人のデータを公開するような行為をするとは思えません。でも、万が一規約を盾にされるとどうなるか、ユーザーサイドとしては「?」ですね。
◇◇◇ ではクラウドストレージのリスクを避けるには? ◇◇◇
富田は、こうしたリスクを理解した上でそれを受容し、クラウドの世界にバックアップができて、ローカルのストレージと同期もできるメリットを重視して、現在利用しているクラウドストレージを引続き使用していく積もりです。ですが、どうしてもリスクを受容できない場合はどういう方法があるのでしょうか?
場所の制約をなくして各種データにアクセスできれば良い、クラウドの世界へのバックアップと同期は諦める、ということであれば、それなりのコストは掛かりますが現在普及が始まっているホームサーバーという手段があります。
自宅に設置したホームサーバーで、自宅内では無線LANを利用して録画した番組を離れた部屋で見たり、音楽を聴いたり、パソコンやタブレットやスマホでデータファイルにアクセスできます。また外出先からはインターネットを介して同様にデータにアクセスできます。
バックアップや同期をしないことを前提にすれば、クラウドストレージとほぼ同様の機能を使うことができます。
具体的な製品として、以下のものが一例でしょうか。Buffaloの製品は大変よく普及しているように思います。富田も無線LANルーターや外付けハードディスクの製品でお世話になっています。以下の製品ユーザーではありませんが、無線LANルーターにUSB接続した外付けハードディスクに外出先からインターネット経由で接続し、ファイルを読み出したりしているので、その便利さは容易に想像できます。
もっと普及が進めば価格も下がってくると思います。多人数のご家族でデータを共有する機会が多いご家庭には特にお奨めの製品ではないでしょうか?
勿論、富田はBuffalo関係者となんら利害関係はありませんので念の為。^^;
さらに高速になったホームサーバー : LinkStation Mini 〈リンクステーション ミニ〉 LS-WSXL/R1シリーズ | BUFFALO バッファロー
インターネットに接続して外部からデータをダウンロードしたりアップロードすることを「Webアクセス」と呼んでいますね。
◇◇◇ 最後に ◇◇◇
前回と今回でクラウドストレージのメリットとリスク、その対応についてご紹介しました。ITの世界はまだまだ発展途上にあります。今後の技術革新で、今のサービスが陳腐化していくことも当然のことです。
その時々で賢く技術を選択して、より良い生活を送ることができるように工夫したいものですね。時にはリスクを受容することもあるかもしれません。でも、それはITに限らず他の様々な場面でも必要な判断だと思いますので、どうか皆さんにも賢い選択をして頂きたいと思います。
では、これからも「楽に・楽しく・情報化」を目指して参りましょう!
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(2013.3.29記)