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さて、今日の故事ことわざは、「漆は剥げても生地は剥げぬ」です。
「漆 (うるし) は剥げても生地は剥げぬ」とは?
にわか仕込みの知識や態度などはすぐに剥げ落ちてしまいますが、人が持って生まれた素質や性格は変わらないという例えです。
漆器 (しっき) の表面に塗った漆は剥げ落ちても、その下にある生地はいつまでも同じであることから、こう表現されるようになりました。
11月13日は「うるしの日」
さて、今日11月13日は「うるしの日」です。これは、今から32年前の1985年 (昭和60年) に、日本漆工協会が制定した記念日です。
平安時代に文徳天皇の第一皇子・惟喬親王が、京都・嵐山の法輪寺に参詣した時に「うるしの製法」や「漆器の製法」を虚空蔵菩薩から伝授されたという伝説から、その満願の日である11月13日を「うるしの日」に制定したということです。
その漆塗りの器は、木地製作→手塗り (下地塗・上塗) →加飾 (蒔絵・沈金) という段階を経て、一つの作品が出来上がります。そのどの段階をとっても、さらにいくつもの工程を経ます。(こちらのサイト参照)
漆塗りというと、何度も何度も重ね塗りを行う、というイメージですが、漆器として完成するまでに気の遠くなるような工程があるのです。
何事も自分の物とするには、何度も繰り返し刷り込む必要がある
自分の人生は、既に60年を超えましたが、日々学ぶことは尽きず登場します。
特に、人生の「あり方 (Being) 」を学び、「やり方 (Doing) 」を知ることが大切です。そうしないと、木を見て森を見ずになり「着眼大局、着手小局」を実践できません。
ところが、「頭で理解して、知っている」つもりになっても、本当に自分の物になっているかというと、なかなかできていないものです。
というわけで、何かを学んで、それをなんとか身につけたいと思ったら、その内容を書き留める・何度も見直す・実際にやってみることを繰り返す、といったことをするしかないわけです。
漆塗りの如く、何度も何度も塗り重ねることで、すぐに剥がれ落ちるようなメッキ貼りではない、ホンモノにやっと近付けるのだと、つくづく実感している次第です。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2017.11.13記)