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さて、これまで出版への道を志すことになった経緯、想定読者に伝えたいことを書いてきました。 (こちらのページ参照)
前回は、「イライラ克服力」を付けることで、負の感情を前向きの感情に変えられることを書いてみました。
今日は、「イライラ克服力」とは別の「落ち込み克服力」を付けることで、過度の自己否定に陥ることなく、前向きに進めることを書いてみます。
人間とは落ち込む動物
不思議と真面目な人ほど、うまくいかない時に自分を責めて落ち込みます。「ああ…なんて自分はできない奴なんだ」「ああ…どうして私がやるとうまくいかないのか」などのように。
一方で、うまくいかないのは全て社会と周囲の人間のせいにして、まるで反省の色がない人もいます。「自分をこんな目に遭わせる、社会が悪い」「あいつのせいで、うまくいくものもダメになった」・・・
ここでは、他人のせいにする人は置いといて、自分はダメだダメだ、と自己否定のスパイラルに陥るケースについて考えてみます。
まあ、ごくまっとうな人なら、うまくいかない原因は自分の能力であり、経験不足であり、スキル不足であると捉え、落ち込むわけです。
でも、普通の人間なら落ち込んで当り前です。問題は、落ち込んだ後の対処です。
うまくいかなかった本当の原因は何?
落ち込んだ後の対応で、その人の今後を占うことができますよね?
片や「どうせ僕なんか、何をやってもダメな奴で、上なんか目指せないから、テキトーに誤魔化して生きていくよ。」と自暴自棄になるタイプ。(ちょっと極端?)
片や「何が自分には不足していたんだろう。能力だとしたら、どうしたらそれを補えるのだろう?経験やスキルであれば、これからどう取り組めばいいのだろう?」と考えるタイプ。
ここで大切なのは、現在の自分の状況を冷静に判断して、その状況を受容することだと思うのです。
それを自暴自棄になって「自己否定」というマイナスのスパイラルに落ち込むと、なかなか抜け出られません。
さりとて「自己肯定感」なんて到底持てないのですから、ありのままの自分から目を背けず受け止める、すなわち「自己受容」が必要なのです。
まずは、何かが不足していることを認める。受け入れる。その上で、何が不足しているのか、を冷静に考える。
足りなかったのは、心の「あり方」?それとも「やり方」の工夫?
平昌五輪で、女子スピードスケート1500mの銀メダルに続いて、1000mでも銅メダルを獲得した高木美保選手は、8年前のバンクーバー五輪の時、弱冠15歳で代表に選ばれましたが、その4年後のソチ五輪では代表の選に漏れました。
天才少女ともてはやされた高木美保選手の挫折です。最近のインタビューで当時を振り返り、彼女はこう言っていました。
「あの頃の自分には、4年間という時間をすべてスケートに注ぎ込む覚悟が足りなかった。だから、平昌五輪に向けての4年間は、自分のすべてを懸けようと決意した。」
彼女にとって、スケート技術云々の前に、心の「あり方」が問題だったのですね。
我々は、高木美保選手ほどのレベルにないかもしれませんが、日常生活で考えると、物事を軽く考えてやってしまい、とんでもないしっぺ返しをされたという経験はあると思います。
仕事でも、時間がなくて体裁を取り繕ってやっつけ仕事で片付けたら、あとからお客さんに怒られて恥をかいた、なんてことがあるでしょう。(経験者は語る…(^^; )
というわけで、まず見直したいのは、心の「あり方」です。それから「やり方」を見直せばいいのです。
「やり方」は、こちらの記事で「失敗力」について書いた通り、いくらでも失敗すればいいのです。一回失敗すれば、それでうまくいかないやり方を一つ発見したことになるので、次に繋がるからです。
でも、心の「あり方」をきちんと修正せずに、いくら「やり方」を工夫しても誤った経験を積むことになりかねません。
まずは「自己受容」、それから「あり方」を見直す
というわけで、「落ち込み克服力」を付けるには、二段階のステップを踏むと良いです。
まずは「自己受容」。現在の自分をあるがままに受け止める。決して目を逸らしたり、自分に嘘をついたりせずに。
それから自分の心の「あり方」をチェックする。物事に対して、きちんと向き合っているか。尊大な態度で接していないか。謙虚に接しているか。自分の心を鏡に映して正確に把握する。そして、修正すべきは修正する。
それから、失敗を恐れずに「やり方」を工夫して行動する。
このサイクルを忘れなければ、いちいち落ち込んでいる暇はないと思いますよ。
さて、また長くなりましたので、続きは次回に。
では、また!
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(2018.2.15記)