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閑話休題。
「上巳の節句」(桃の節句・雛祭り)
今日3月3日は、「雛祭り」です。そして、上巳の節句(じょうしのせっく)という五節句の一つでもあります。元々は3月上旬の巳の日(縁起の良い吉日)でしが、後に3月3日に行われるようになりました。
旧暦では、3月3日は桃の花が咲く季節であることから「桃の節句」とも言われています。古来、中国では、上巳の日に川で身を清め、不浄を祓う習慣があり、これが平安時代に日本に取り入れられたそうです。
後に、紙で小さな人の形(形代)を作ってそれに穢れを移し川や海に流して不浄を祓うようになりました。この風習は、現在でも「流し雛」として各地に残っています。
「五節句」
節句 (せっく) は、日本の暦の一つで、伝統的な年中行事を行う季節の節目 (ふしめ) となる日です。
節句にあたる日に、かつては日本の宮廷において、節会 (せちえ) と呼ばれる宴会が開かれていたそうです。
年間にわたり様々な節句が存在していたそうですが、そのうちの5つを、江戸時代に幕府が公的な行事・祝日として定めたとのことです。
それが人日の節句、上巳の節句、端午の節句、七夕の節句、重陽の節句の五節句です。
(出典 : Wikipedia)
「御節句」と呼ばれた節句料理は、もともと五節句の祝儀料理すべてを指していたそうですが、のちに最も重要とされる人日の節句の正月料理を指すようになったそうです。
そして、今日では「おせち」として、正月三が日もしくは七日にかけての松の内の期間に食べるものとして定着しています。
「雛人形」
昔は乳幼児の死亡率が高く、子供が無事に成長できるかどうかは、神のみぞ知る事柄でした。
そのため穢れを移す身代わりの人形を子供の枕元へ置いて、災厄を祓う風習がありました。身代わりの人形には立ち姿をした「天児(あまがつ)」と、這っているような姿をしたぬいぐるみの「這子(ほうこ)」があったそうです。
また、雛人形の原型となった「立ち雛」は厄を祓って水に流した「ひとがた」を立体化したものとも言われています。のちには、前述したように上巳の節句に子供の穢れや厄を移した雛人形を川へ流す「流し雛」の風習も生まれました。
やがて時代と共に、雛人形は立派で豪華絢爛なものになります。そのため、雛人形を川へ流すのではなく、これを「飾ること」で厄を祓う形へと変化していきました。
すなわち雛飾りには、子供が健やかに育ち、幸せになって欲しいという両親の祈りが込められているのです。
少子化が進んでいる現在です。そんな世に生を受けたお子たちには、本当に健やかに育ち、幸せになって欲しいものです。
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(2023.3.3記)