「今日は何の日?」シリーズ第46弾です。
毎年8月16日の20時から、京都では五山送り火に一つひとつ5分おきに点火されます。
五山送り火の内容
京の夏の夜空を焦がす伝統行事である五山送り火は、葵祭・祇園祭・時代祭とともに京都四大行事の一つとされています。
以下の五山で炎が上がり、お精霊(しょらい)さんと呼ばれる死者の霊をあの世へ送り届けるのです。
「松ヶ崎妙法」(西山及び東山、20:05点火)
妙法は、二山二字ですが、一山一字として扱われます。
五山送り火の起源
山に画かれた字跡に点火する行為の起源については、平安時代とも江戸時代とも言われていますが、公式な記録は存在しないとのことです。
場所と行為を具体的に特定した史料が登場するのは近世に入ってからです。
江戸時代に刊行された総合的地誌『雍州府志 (ようしゅうふし) 』によると、死者の霊を弔う盂蘭盆会 (うらぼんえ) や施餓鬼 (せがき)の行事として行われていたとか。
これも江戸時代に刊行された京都の地誌である『花洛細見図 (からくさいけんず) 』では「盂蘭盆会の魂祭」として紹介されていて、江戸時代前期から中期までには死者を弔う意味を持ち、大文字、妙法、舟形、加えて所々の山、原野で火を点けていたとのことです。
「大文字焼き」と言わない方がいい
雑誌やテレビでは「大文字焼き」という慣習的な表現を使うことがありますが、地元の人はこの表現を嫌います。
何か食べ物を連想するからでしょうか。もともとは宗教的な儀式ですから、大文字焼きでは何か軽い表現に思われて、不快になるからかもしれません。
うっかり「大文字焼き」と言わず「大文字五山送り火」と、ちゃんと表現するように気をつけた方がいいです。
というわけで、あの暑い京都の夜に送り火を見た日を懐かしく思い出す、週末土曜日の朝なのでした。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2014.8.16記)