(画像出典元はこちら)
さて、総務省は先日 (2016.10.26) 、2015年国勢調査の確定結果を発表しました。2015年10月1日現在で、外国人を含む総人口は、1億2,709万4,745人となり、前回2010年調査から96万2,607人 (0.8%) 減少し、1920年の調査開始以来、初めて減少に転じました。(こちらの資料参照)
「静かなる有事」進行中…
石破茂 前・地方創生担当大臣は、この人口減少について、北朝鮮や中国などの安全保障上の脅威だけではない日本の「有事」と指摘しました。
こちらの記事では、次のように書かれています。
現状のままの出生・死亡の状況がこの先も同じように続いた場合、西暦2100年には人口が半分に、そして、2500年には約44万人、3000年になると約1,000人に減るという分析がある。
もしそうなれば、事実上の国家の崩壊を意味する。
また、産婦人科医の間では、もっと早く2500年には人口1,000人をきると、以前から語られているそうです。(こちらの記事参照)
2015年国勢調査の確定結果
それでは、今回確定した結果を見てみます。以下の図やグラフは、全て総務省統計局発表の資料から引用しています。(クリックで拡大します)
まず、我が国の人口ピラミッドを、大正9年と比較したグラフです。
都道府県別の人口をみると、最も多いのは東京都で、全国の1割以上を占めています。また、首都圏の神奈川県、埼玉県、千葉県が上位6位以内に名を連ねています。
2010年〜2015年の推移をみると、東京都、神奈川県、埼玉県、愛知県など8都県で増加、39道府県で減少となっています。
同じく人口増減率です。なお、この5年間で、大阪府が増加から減少に転じています。
年齢別の人口をみてみると、総人口に占める65歳以上の割合は、この5年間で 23.0%から26.6%に上昇し、調査開始以来最高となった一方、15歳未満人口割合は、調査開始以来最低となっています。
65歳以上の割合は、世界で最も高い水準となった一方、15歳未満の割合は、世界で最も低い水準になっています。
また、65歳以上の割合は、秋田県が33.8%と最も高く、沖縄県が19.6%と最も低く、全都道府県で65歳以上の割合が、15歳未満の割合を初めて上回りました。
ちなみに、全国の世帯数は、5,344万9千世帯で、そのうち単身世帯が、3分の1を超えています。そして、65歳以上人口の6人に1人が一人暮らしとなっています。
最後に
改めて見てみると、東京を中心にした首都圏で人口が増加しているトレンドが、くっきり鮮明になっています。
その東京ですが、残業時間や帰宅時間などの実態、そして、子供の数は、いずれも全国ワースト1だとか。東京に人口が集中するが故に、少子化が進んでいるわけです。
そうしたことから、子供を産み、育てやすい環境である地方に、若い世代が居住することが、この危機を食い止める第一歩という認識があります。そして、それが地方創生の取り組みのそもそもの根底にあるわけです。
静かに進む人口減、手をこまねいていては国家の存続にかかわる「静かなる有事」、それにどう立ち向かうか…「国家百年の計」として、グランドデザインを描く必要性が今こそ求められているのではないでしょうか。
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では、今日はここまでにしますね。
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(2016.10.28記)