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さて、「今日の一言メモ」第74回です。
バブルの頃の狂気の同調圧力
今日3月30日は、今から32年前の1987年 (昭和62年) に、安田火災 (現・損害保険ジャパン日本興亜) がゴッホの「ひまわり」を58億円で落札した日です。
時は、まさにバブル景気の絶頂期に向けて、日本が異常な雰囲気に包まれている時でした。
日本のバブル景気の期間は、1986年 (昭和61年) 12月〜1991年 (平成3年) 2月までの4年3か月 (51か月) 間を指します。この期間は、株式や不動産を中心にした資産が過度に高騰し、経済が膨張しました。
日経平均株価が、1989年 (平成元年) 12月29日の大納会には、史上最高値38,957円44銭を付け、いわゆる資産価格のバブル化現象が明白になった時期です。
今から思えば、狂気ともいえる世界がそこにありました。あの時期は、冷静に考えればどう考えてもおかしい事態が起こっていたわけですが、もしそんなことを指摘すれば「おかしくてアホ」扱いされていたでしょう。
値上がり確実な土地を、お金を借りてでも買わない奴はアホ、企業経営でも、株などで財テクをしない経営者はアホで無能呼ばわりされたものです。
恐るべき同調圧力がそこに働いていました。
心理学で有名なS・アッシュの実験
バブルの時期は、まさに「赤信号みんなで渡れば怖くない」だったのです。あの社会全体を覆った狂気の同調圧力に立ち向かうには、相当なパワーが必要だったでしょう。
さて、ちょっと話は変わりますが、ここで心理学で有名なS・アッシュの実験を見てみたいと思います。
実験は簡単で、手元にあるロープと同じ長さのロープを、長さが大きく異なる3本の中から選ぶというものです。
微妙な違いではなく、長さが大きく異なるわけですから、誰がやっても間違いないようのない選択です。
この実験を7人グループに対して行い、そのうち6人が芝居のうまい役者さんが演じるサクラとします。
そして6人の役者さんが、間違いようのない選択でことごとく誤った選択をします。
そして、何も知らない1人が正しい答えを言おうものなら、みんなが一斉に
「おまえは目がおかしいのか?」
「わざと間違えているのか?」
「信じられない!」
「アホじゃないか?」
という目で見るのです。その1人にしてみれば目がおかしくてアホなのは目の前の6人ですが、何しろ6対1です。
そして、その1人は段々自信を失い、とうとう「間違った答え」に合わせていってしまうというのが実験結果です。
多勢に無勢の状態で、どう抗うか
この実験では、自信を失った1人が同調圧力に負けて誤った答えを受け入れてしまいますが、自分だったらどうするでしょう。
冷静に考えれば、明白におかしいことであれば、少なくとも被験者以外に2〜3名、追加で実験に参加してもらい判断させる、という方法がありそうです。
あとは、会社などの組織で上司や同僚から受ける同調圧力にどう抗うか、です。
この場合も、なんとか味方を見つけ連帯してコトに当たるしかないでしょう。孤立無援、徒手空拳では、同調圧力に抗いきれない可能性が高いです。
もし味方が見つからなかったら・・・その時は、その組織を去るか、いったん同調圧力に屈したふりをして挽回できる機会を待つしかないでしょうか。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2019.3.30記)