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さて、「今日の一言メモ」第569回です。
「虻蜂取らず」
「虻蜂取らず」(あぶはちとらず)とは、欲張って二つのものを同時に手に入れようとしたために、結局はどちらも得られず失敗することを表しています。
虻も蜂も両方を捕まえようと(退治しようと)して、二つとも取り逃してしまうことから、両方とも手に入れようとして、結局は何も得られないことを指しているのです。欲を出しすぎることや、方針が曖昧にしておくことを戒めるときに使います。
一般的には「二兎追うものは一兎をも得ず」という言い方が使われているでしょうか。
優先順位をつける重要性
人間は、やはり同時に二つのことはできません。お料理上手な方は、同時並行でいくつもの料理を作り上げますが、それもタイムシェアリングというか時間を分割してうまく使っているわけです。腕は2本しかないので、包丁を使いながら、フライパンを振ることはできません。
仕事でも、あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、という場面は多いと思います。それで良く考えもせず、あれこれ手を付けてしまうと収拾が付かなくなります。
やはり、まずはやることをリストアップして、それぞれの難易度と期限を確認して優先順位を定め、1日の時間配分をして、優先順位の高いものからタイムシェアの中で取り組んでいくのが良いと思います。
そして、一つの案件に取り組んでいる間は、他の案件のことは頭から締め出し、集中して取り組むことが肝要でしょう。
「第Ⅱ領域」の重要性
やることの優先順位を決める時に気をつけなければならないのは、「重要だけど緊急でないこと」の扱いです。
下図は、「完訳 7つの習慣」(by スティーブン・R・コヴィー) に登場する有名な図です。
この図では、さまざまな活動を「重要か重要でない」「緊急か緊急でない」の4つの領域に分けて、代表的な活動を示しています。
人はその習性から、まず「緊急」で「重要」なこと(第Ⅰ領域)に取り組み、次に「緊急」で「重要でない」こと(第Ⅲ領域)に取り組みます。つまり緊急度が優先します。
問題は次のステップです。ほんとうは「緊急でない」けど「重要」なこと(第Ⅱ領域)に取り組むべきですが、ここにはなかなか重い(と思ってしまう)テーマが並んでいます。
そして、「緊急でない」「重要でない」こと(第Ⅳ領域)に向かってしまい、負荷が軽い仕事・雑用や休息に時間を使ってしまうのです。
そして時間が経過してしまい、本当に重要な (でも緊急ではない)「第Ⅱ領域」への取り組みができないまま、1日が過ぎ去っていくことになります。
緊急ではない重要なことは、小さなゴールに分解する
「あー、また今日もできなかったな……」と呟きながら1日を終えるのはつらいものです。でも、少しでも取り組めたらOK、とルールを決めたらどうでしょう。
「あの準備リストを作ろう」「あの計画表を作ろう」と決めたとしたら、往々にしてその準備リストや計画表を一気呵成に完成させようとしがちです。そうではなく、1日のゴールをもっと小さいものにするのです。
そのリストや表を構成する項目を決め、Excelを立ち上げ項目名を入力し、ざっくり罫線を引き、ファイル名を考えて保存します。これで1日目は終了です。次の日は、ファイルを開き、実際に行を埋めていきます。まず3行分のデータを入力すればゴールです。
この程度のゴールであれば、1日に10分もあればできるのではないでしょうか。そして、コツコツと毎日続けていれば、いずれ最終的なゴールに到達します。何も手をつけずにいたらゼロはいくら足してもゼロのままです。
本当に重要なことなのに緊急性がないと、つい先送りしてしまうのが人間です。それは小学生の頃、夏休みの宿題をほっといて学校が再開する数日前になってあわてて手をつけたあの頃から染みついている習性なのです。
大人になってもそうそう変わらない習性です。気合いや根性では変えられません。なので、まずは1日10分でできる小さなゴールを設定してみることをお勧めします。
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さて、今日はここまでにしましょう。
では、また!
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(2020.10.27記)