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さて、「今日の一言メモ」第684回です。
「雨夜の月」
「雨夜の月」(あまよのつき)とは、想像するだけで見えないもの、実現しないことの例えです。あり得ないと思っていたことが、まれにあった時にも用いられます。
雨が降っている夜にも月はありますが、目には見えないことからこう言われるようになりました。
想像することができるのは人間だけ
不安を持つというのは、見えない未来を想像してしまう人間の宿命かもしれません。死者に不安はないという意味で、不安は生きていることの証明ともいえます。
また、動物には不安がないという意味で、不安は人間にとっての特権かもしれません。人間には「不安を抱ける能力」があるといえます。
不安を抱ける能力は、それすなわち想像力を意味します。他の動物と人間との差は想像力の有無にあるともいえるでしょう。動物は将来への不安で苦しんだりしません。
たとえば、動物に自殺ができないのは、人間のように未来に対する極度の「不安を抱く能力」、すなわち想像力が欠けているからです。でも、動物と一線を画する人間の想像力ですが、それを持っているがゆえに、苦しみが増すことがあります。
想像力の使い方次第で、希望に満ちた未来を作り出すこともできれば、絶望の中に陥れ、苦しませることもあるのです。
不安を克服する方法
人間が持つ能力ゆえに絶望したり、苦しんだりするのは避けたいものです。そんな不安を克服する(=想像力を正しく使う)方法の一つは、「目標を内面化」することです。
これは以前受講した「社会人版キムゼミ」でジョン・キム先生から学んだことです。このブログでも何度か書いたことがありますが、目標の内面化とは、目標達成への判断基準を自分の内部に持つことを意味します。外面化された目標ではなく、内面化された目標をもつことです。
他者と自分の優劣を意識する限り、人は不安から逃れられないでしょう。たとえば、一人の女性を巡って恋敵と争っているとします。その最中は、恋敵がどんな行動をするか、不安で不安で仕方がありません。そしてその時、その恋敵を破り女性のハートを射止めることを目標とすると、それは目標を外面化したことになります。
この場合、恋の成就には多くの不可抗力が存在します。つまり、自分がいくら努力しても、どうしようもない要素が多く介在してきます。恋敵の行動や、女性の気まぐれ、そんなもので状況は一変するかもしれません。
しかし、目標を内面化し、それを「恋を成就させるために最善を尽くすこと」とすれば、目標に向けての全てが可抗力化となり、他者が介在する余地や言い訳をする余地もなくなり、結果責任を全て自分が負うことができるようになるのです。
目標を内面化すれば、恋が成就しなかった時、自分に何かが足りなかったのではなく、恋敵が財力に物を言わせてプレゼント攻勢をかけ、女性がそれに目が眩んだからだ、等という言い訳は許されなくなります。
外面化された目標に向かっていると、自分が最善を尽くしても焦りや不安に苛まれることがあるでしょう。しかし、目標の内面化に切り替えれば、不可抗力に悩まされることなく、自分が最善を尽くしているという自負がある限り、その状態に満足し、また過程を楽しむことすらできるようになるかもしれません。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2021.3.15記)