(画像出典元はこちら)
さて、『今日の一言メモ』第867回です。
「ペニシリンの日」
今日2月12日は、1941年(昭和16年)にイギリスのオックスフォード大学附属病院が、世界ではじめてペニシリンの臨床実験に成功した日です。
そもそも世界初の抗生物質であるペニシリンを発見したのは、イギリスのアレクサンダー・フレミング博士で、1928年(昭和3年)のことでした。
ペニシリン発見のきっかけは、フレミング博士がブドウ球菌を培養中、カビの胞子がペトリ皿に落ち、カビの周囲のブドウ球菌が溶解しているのに気づいたことにあります。
このことにヒントを得て、博士はアオカビを液体培地に培養し、その培養液を濾過した濾液に、この抗菌物質が含まれていることを確認し、アオカビの属名であるPenicilliumにちなんで「ペニシリン」と名付けたのです。
発見後、医療用として実用化されるまでには10年以上の歳月を要しましたが、1942年(昭和17年)にベンジルペニシリンが実用化され、第二次世界大戦中に多くの負傷兵や戦傷者を感染症から救いました。
フレミング博士は、この功績で1945年(昭和20年)にノーベル生理学医学賞を受賞しました。
2009年にテレビドラマ化された「JIN-仁-」で、現代から幕末へタイムスリップした主人公の医師が、医療設備が整わない中で、何度も失敗を繰り返しながらペニシリンを製造し、江戸の人々を感染症から救ったストーリーを思い出してしまいました。
失敗からの学び方
ドラマでは、気の遠くなるような回数の実験を繰り返し、来る日も来る日も失敗の連続なのに、それにめげず主人公の医師と周囲の人々が協力して奮闘した結果、とうとうペニシリンの抽出に成功する姿が描かれていました。
それはまるで、巨木を削りながら最後に1本の爪楊枝を作り出すような作業に見えました。でも、毎日毎日失敗するということは、毎日毎日うまくいかないやり方を一つ、また一つ発見していたということです。
どうすればうまくいくか、ではなく、どうすればうまくいかないか、を発見していくという姿勢が大切であることを教えてくれます。
どうすれば「失敗力」を身につけられるか
すでに現役を引退したイチローが、日米通算4,000本安打の偉業を達成した後のインタビューで、こう話していました。
「4,000本のヒットを打つために、8,000回以上の悔しい思いをしてきている。その中で、常に8,000回以上の凡打に自分なりに向き合ってきたという事実はある。誇れるとしたら(4,000本のヒットを打ったということではなく)そこではないかと思う」
あのイチローですら、打った安打の2倍以上の凡打を重ねているわけです。そして、その凡打と向き合い、改善点を見つけ、次の打席に生かしてきたわけです。
無数の凡打を積み重ねることで前人未踏の記録に辿り着く。これこそ「失敗力」と言えるでしょう。「失敗力」は、何もイチローのような偉人だけでなく、僕のような凡人にこそ必要なものと思います。何せ、二度や三度の失敗で、すぐに心折れ挫けてしまうのですから……。
では、どうしたらそんな「失敗力」を身につけられるのでしょうか?
それは、単なるケアレスミスのような失敗はおいといて、前向きにチャレンジして失敗したときは自分で自分を褒めてあげることだと思います。
失敗するとまず褒めてくれる人はいません。そんなときに褒めてあげられるのは自分だけです。そして「よし!こうやると失敗するのか。分かったぞ!」と経験値を上げて次へ進めばいいと思うのです。
・・・・・・
さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
・・・・・・・・・・・・
(2022.2.12記)