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さて、『今日の一言メモ』第907回です。
「巧遅は拙速に如かず」
「善は急げ」と言いますが「急いては事を仕損じる」とも言います。
「善は急げ」は、良いと思ったことは、ためらわずただちに実行するべきだという意味ですね。良いと思ったら、躊躇せずただちに取りかかるべきであり、好機は逃がすべきではないという教えです。
一方、「急いては事を仕損じる」は、何事も焦ってやると失敗しがちだから、急ぐときほど落ち着いて行動せよという戒めです。
ビジネスの世界に目を向けると、現代では特に「スピード」が重視されていま
そうした視点で見ると、「巧遅 は拙速に如かず」(こうちはせっそくにしかず)の考え方が必要でしょう。この言葉の意味は、上手だが遅いよりも、下手でも早いほうが良いということです。
場合によっては、ぐずぐずしているより上手でなくとも、迅速に物事を進めるべきだという教えです。
『孫子・作戦』に「兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを賭ざるなり」(部隊を動かすのは、戦術がよくなくても迅速であるほうがよい。巧妙な戦術で長い間戦い続けているのを見たことがない)とあるのに基づくそうです。
完璧を目指さず、まずは合格点を確保する
拙速といっても、一定水準に達していなければ「急いては事を仕損じる」ことになってしまいます。
また、完璧主義に陥ると100点満点を目指したくなりますが、まずは合格点を取れるレベルまで、どうやったらスピーディーに仕上がるか、という視点で段取りをすることが重要だと思います。
デッドライン(締め切り)を設け、それを厳守する
ビジネスの場合は、その仕事を仕上げる期限が明確に示されているケースがほとんどでしょう。特に複数社から見積を取るような案件で、それに応札する場合は見積提出期限は厳守しなければなりません。
頑張って安い価格を提示できたとしても、見積書の提出が期限の日時に間に合わなかったらアウトです。
そこまでシビアでないビジネスの場面や、プライベートで期限が曖昧な場合は、みずからデッドライン(締め切り)を具体的な日時として設けることが有効です。
そして、設定した日時を厳守することを徹底し、それまでに合格ラインに達するよう取り組むことを習慣化するのです。それが習慣化できたら、今度は自ら設定するデッドライン(締め切り)を少しずつ前倒しするようにします。
少しでも前倒しできるようになり、それまでに合格ラインの成果を出せるようになると、さらに完成度を上げる余裕が出てきます。
ということで「巧遅は拙速に如かず」という意識は常に持っていたいものです。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2022.5.28記)