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さて、『今日の一言メモ』第1033回です。
「障害者の日」
今日12月9日は「障害者の日 」です。国際障害者年であった1981年(昭和56年)12月9日に開催された総理府(現内閣府)主催の中心記念事業「広がる希望の集い」で制定された記念日です。
1975年に、国連総会で「障害者の権利宣言」が採択されたことを記念して制定されました。
全盲で「世界初」の無寄港太平洋横断という偉業を成し遂げた岩本光弘さん
多くの選手が活躍した昨年(2021年)の東京パラリンピックは、まだ記憶に新しいですね。
そして、思い出すのはこちらの記事で紹介されている、盲目のヨットマン、岩本光弘さんです。2013年(平成25年)、ニュースキャスターの辛坊治郎氏と共に小型ヨットで太平洋を横断中に遭難し、海上を漂流していたのを海上自衛隊に救助された方、と言えば思い出す方が多いのではないでしょうか。
記事に記載された、岩本さんのプロフィールは以下の通りです。
1966年、熊本県生まれ。先天性の弱視のため16歳で完全に失明。一時は自殺を考え絶望の日々を送っていたが、現在は、カリフォルニア州サンディエゴで指針術クリニックを経営、妻と娘と共に暮らしている。一人でも多くの人に夢と希望を与えるために、セミナー講師、ライフコーチとして日米で現在活躍中。
岩本さんが、辛坊治郎氏と2人で「太平洋横断」に挑み、遭難し、海上自衛隊の飛行艇によって救出されて帰国した後、待っていたのはバッシングの嵐でした。
「無謀な挑戦だ」「税金のムダ使い」「目が見えないくせに……」といったものや、「辛坊治郎は夢の実現のために全盲のヨットマンを利用した」などという誹謗中傷もありました。岩本さんは、この時、太平洋横断なんて夢を見なければよかったのに・・・と思ったそうです。
しかし、岩本さんは、アメリカでの反応に救われます。「挑戦に失敗したことは確かに残念だ。でも岩本は驚くべき挑戦をした」「挑戦したという事実、それだけで評価されるべきだ」「勇敢だ」という声が寄せられたといいます。
日本とアメリカでは、「挑戦」に対する評価が全く違うのです。日本では、成功したか失敗に終わったかという結果に囚われるのに対し、アメリカでは、「挑戦」したことそのものを評価するのですね。
そして、岩本さんは、たった一度の失敗、ましてやバッシングやヘイトスピーチには負けたくないという思いから、その後はトライアスロンに挑戦しました。
それから再度の太平洋横断に挑戦し、2020年4月に全盲で「世界初」の無寄港太平洋横断という偉業を見事成し遂げます。(こちらの記事参照)
諦めないことを学ぶ
岩本さんは、「何事にも意味がある」と言います。自分が盲目になったこともそう、太平洋で遭難したこともそう。「どんなに辛い現状も、見方を変えればそれにも意味を見いだし、感謝することができる」と言うのです。
健常者である私達は、些細なことで悩み、愚痴を言い、後ろ向きになっていないでしょうか。岩本さんの前を向く姿勢を思えば、そんなことは恥ずかしくてできなくなります。
今回のサッカーワールドカップで、一躍有名になった言葉に「三苫の1mm」があります。ゴールラインを割ると思われたボールをギリギリまで追い、敵ゴール前に折り返し、勝利を決定づけた追加点をアシストしたプレーです。
いろんなところで「諦めない」ことの大切さを学びます。障害者でも健常者でも、最後まで諦めない人は特別であって自分にはできない、と諦めがち(!)です。でも、みっともなくてもいいから、ジタバタとあがいて諦めない姿勢を持つことを心がけたいと思います。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2022.12.9記)