(出典 : 宮内庁)
先日 (2016.8.8) 、イチロー選手がメジャーリーグ通算3,000本安打の大記録を達成したその日、日本では天皇陛下がご自身のお考えをビデオメッセージで発表されました。
今日は、そのメッセージをお聞きして深く感じるものがありましたので、それを書き記しておきたいと思います。
宮内庁のホームページに、その映像と全文が掲載されていますので、メッセージの内容はそちらをご覧下さい。
「無私」の心を貫かれた象徴天皇
天皇陛下といえば、公人としてある意味トップに位置する方であり、周囲も当然そのように見ます。
陛下ご自身も生まれて物心ついた時から、そのように教育されてお育ちになったことは想像に難くありません。
とはいえ、今回のお言葉をお聞きして改めて思ったのは、象徴天皇としてどう「あらねばならないか」、それをご即位以来とことん追求されてこられたのだなぁ、ということです。
そこには、「私」がありません。一人の人間として、こうしたい、あれが欲しいといったお気持ちはきっとあったと思いますが、そうしたことは最大限押さえてこられたのだと思います。
公人である政治家の中には、私利私欲にかられる人もいるようですが、彼我の差はものすごく大きなものです。
「象徴天皇」として妥協を許さぬお姿
今回、生前退位のご意向を強く滲ませるお言葉となった背景には、自分が果たしたい、果たさねばならぬ象徴天皇としてのお務めを、加齢による体力・知力の低下により満足に果たせなくなることは許されない、という強いお気持ちがあったものと受け止めました。
そして、摂政などの天皇代理をたてたとしても、命あるかぎり務めを満足に果たせない天皇という立場に変わりは無いとの認識を示されました。
そして、天皇の「終焉」による儀式などの影響で、国民生活や経済活動に停滞を及ぼすことは避けたいという強いお気持ちも示されました。
国民の象徴として務めを果たすのは、天皇本人でなければならない、そして、その天皇はその務めを満足に果たせる者でなければならない、という妥協を許さぬお気持ちが強く滲みでたメッセージだったと思います。
最後に
奇しくも天皇陛下がメッセージを発せられた日に、イチロー選手がメジャーリーグ通算3,000本安打という大記録を達成しました。
そこでふと思ったのは、天皇陛下もイチロー選手もご自身に妥協を許さぬ方であるな、ということです。
僕のような者が、天皇陛下とイチロー選手を比べることは不遜の限りですが、お二人ともに偉大な人物であることに変わりはなく、そこに共通点があっても不思議ではありません。
イチロー選手が言うように、天皇陛下も「小さなことを積み重ねて」こられて今日に至ったのだと思います。
・・・というわけで、天皇陛下もイチロー選手も、どうかこれからもご健勝でありますように、と願う朝なのでした。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2016.8.10記)