さて、慰霊と鎮魂の祈りを捧げる日が続く8月ですが、毎年8月16日の夜は、京都で「大文字五山の送り火」が点火されます。
「大文字五山の送り火」とは？
京の夏の夜空を焦がす伝統行事である五山の送り火は、葵祭・祇園祭・時代祭とともに京都四大行事の一つとされています。
毎年8月16日の20時から、以下の五山で一つひとつ5分おきに点火されます。これは、お精霊 (しょらい) さんと呼ばれる死者の霊を、あの世へ送り届ける行事なのです。
「大文字」（大文字山(如意ヶ嶽)、20:00点火）
「松ヶ崎妙法」（西山及び東山、20:05点火）
「舟形万灯籠」（船山、20:10点火）
「左大文字」（左大文字山、20:15点火）
「鳥居形松明」（曼陀羅山、20:20点火）
「大文字五山の送り火」に思うこと
京都は、僕が会社員時代に赴任し、3年半住んだ地です。また、30年前に新婚生活をスタートさせた思い出の地でもあります。
当時は、夏に盛り上がる祇園祭、そして五山の送り火を目の当たりにして、長い歴史を感じていました。
京都市街を取り巻く五山に次々に点火される送り火を見ていると、いにしえの時代からご先祖様の霊をお盆にお迎えし、そして送り火で丁重にお見送りする、という大切な習慣が連綿と受け継がれてきたことを実感します。
京都では送り火が終わると、秋に向けた準備が本格化します。これも四季折々の行事を大切に受け継いできた歴史ですね。
8月は、広島平和記念日、長崎原爆の日、日航ジャンボ機墜落事故の日と多くの亡くなられた方々の慰霊と鎮魂の祈りを捧げる日が続きました。
そして、多くの震災で亡くなられた方々の霊も、このお盆にお迎えしていることでしょう。いろんなご家族のご先祖様の霊と一緒に、そうした方々も今日の送り火で丁重にお見送りしたいと思います。
そういえば「五山の送り火」をついつい「大文字焼き」と言ってしまいがちですが、京都の人はこの言い方をとても嫌がります。
なんだかお祭りで売っている食べ物のような響きがあるからでしょうか、もともとは宗教的な儀式ですから、大文字をつける時は必ず「大文字五山の送り火」と言うようにして下さいね。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた！
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(2016.8.16記)
