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さて、今日の故事ことわざは、「五十歩百歩」です。
「五十歩百歩」とは?
わずかな違いだけで、本質的には変わらないことの例えです。
また、同様の立場にありながら、相手を嘲笑する愚かさを指す意味もあります。
借金50万円と100万円の差は?
商売をしていれば、借金が50万円でも100万円でも、金額的には五十歩百歩でしょう。
大企業であれば、借金が5千万円、1億円増えても、五十歩百歩かもしれません。
一方、一家庭単位で見て、月収32万円に対して生活費が38万円かかり、過去の借金の返済と利息支払い分を含めて、新たに毎月18万円借金を重ねているとなると、これは大変なことです。
そして、この家庭のローン残高は、5,397万円あります。いずれは、子どもに多額の借金を残すことになるでしょう。
そう、これは日本の一般会計の状況を、家計に例えた場合の姿です。
(クリックで拡大、出典 : 財務省)
今日は、52年前に戦後初の赤字国債発行が決まった日
今日11月19日は、今から52年前の1965年 (昭和40年) に戦後初の赤字国債発行が、佐藤栄作内閣により閣議決定された日です。
国債とは国の発行する債券で、大別すると普通国債と財政投融資特別会計国債 (財投債) に区分されます。
普通国債には、建設国債、特例国債 (赤字国債)、年金特例国債、復興債及び借換債があり、普通国債の利払い・償還財源は主として将来の税収により賄われることになっています。
赤字国債は、一時的に赤字を補填するものであるため、発行は認められていませんでした。
ところが、1965年度の補正予算で、赤字国債の発行を認める1年限りの特例公債法が制定され、赤字国債が戦後初めて発行されたのです。
これまでの国債残高の推移を、財務省のサイトから確認してみます。特例公債とあるのが赤字国債です。4条公債とは、財政法第4条第1項ただし書きに基づいて発行される建設国債です。
(クリックで拡大、出典 : 財務省)
国債全てを合わせると、平成29年度末の見込みで、総額865兆円の残高となっており、この1年間で20兆円増となっています。この差は、五十歩百歩とは言えないでしょう。
プライマリーバランスの黒字化はいつになる?
財政健全化をみる指標として、基礎的財政収支 (プライマリーバランス、PB) があります。政府は、これまで2020年度に黒字化することを目標に掲げていました。
しかし、最近の内閣府の試算では、2019年10月に消費税率を10%に上げ、実質2%、名目3%の高成長を前提としても、2020年度に8.2兆円の赤字が残る予想です。
消費増税の使い道を変えたり、増税を凍結したりすれば、さらに赤字が拡大し、黒字化の達成は遠のきます。(こちらの記事参照)
衆議院総選挙の結果、教育の無償化を進めるため、消費税増税分の一部を財源とすることが決まりました。
では、プライマリーバランスの黒字化計画については、どのように修正するのでしょうか?
また、衆議院総選挙では、マスコミに大きく取り上げられることはありませんでしたが、日本維新の会や希望の党が主張した「身を切る改革」はどうなったのでしょうか。まずは、行財政改革による支出の見直しによって、教育無償化の財源を手当てすべきなのではないのでしょうか?
今やすっかり人気凋落気味の小池東京都知事ですが、知事が主張する「ワイズスペンディング (賢い支出) 」について、国政サイドでも十分徹底して欲しいと考えています。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2017.11.19記)