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さて、ゴールデンウィークも後半の4連休に入りました。4連休初日の今日は、憲法記念日です。
現行憲法が制定された経緯
現行憲法が制定された経緯は次のようなものです。
1945年(昭和20年) 8月15日にポツダム宣言を受諾した日本政府は、そこに要求された「日本軍の無条件降伏」「日本の民主主義的傾向の復活強化」「基本的人権尊重」「平和政治」「国民の自由意思による政治形態の決定」などにより、事実上憲法改正の法的義務を負うことになった。<Wikipediaより>
そして、現行憲法の特徴は以下の通りです。
◯ 国民主権の原則に基づく象徴天皇制
◯ 個人の尊厳を基礎に、基本的人権の尊重
◯ 戦争の放棄と戦力の不保持という平和主義
◯ 国会・内閣・裁判所の三権分立の国家の統治機構と基本的秩序
「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3つは、日本国憲法を特徴付ける三大要素と呼ばれることもある。<Wikipediaより>
この日本国憲法は、まだ日本が独立していないときにできた憲法です。第二次世界大戦敗戦後の占領下において定められた憲法なのです。
独立国家としての要件を満たしていない現行憲法
ところで国家とは何でしょうか？主権国家とは何でしょうか？安倍総理の改正案に対案を提示している石破茂氏が、昨年6月の講演で述べている内容 (こちらの記事参照) をベースに以下の通りまとめてみます。
国家の3要件と呼ばれているものは、次の通りです。
1. 領土・・・固有の領土を有している
2. 国民・・・私は日本人ですよというアイデンティティーを共有する国民を有している
3. 統治機構・・・中央政治であれ、地方政治であれ、きちんとした統治機構を具備している
この３つだけは何があっても外国に指一本触れさせてはならない。それが国家の独立というものです。
国家の独立というのは、国家主権を守り抜くことです。国の独立を守るのが軍隊であり、国民の生命、財産、公の秩序を守るのが警察です。同じ実力組織ですが、その目的は全く違います。警察を大きくしたのが、軍隊なのではありません。軍隊と警察は全く別のものなのです。
現行憲法は、日本が独立していない時にできた憲法だから、独立に必要な規定がないのは当たり前のことです。独立していない国の憲法だから、独立に必要な軍隊の規定がないのは当然です。
でも、独立したからには、思想信条と関係なく、国の独立を守る組織を憲法に書くべきだというのは、論理的帰結として当たり前のことになります。他の国では、国家とは軍隊と警察という実力組織を、合法的に独占する主体であるというのが、当り前の議論なのです。
現行憲法9条について
現行憲法が「平和憲法」と言われる所以の9条を見てみます。まず第1項です。
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」
そして、第2項です。
「この目的を達するために、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」
この第1項、第2項の短い文章を巡って、さまざまな解釈がされています。
更に、昨年の安倍自民党総裁の発言から自民党内で議論され、紆余曲折を経て現在の自民党案は、9条の2として「我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず」という一文が新設されることになりました。(こちらの記事参照)
これで第1項、第2項との整合性を無理やり取るというわけでしょうか？独立国家として、当然記載するべき国の独立を守る組織を明文化しないまま憲法を改正することは、やはり納得性が乏しいように思うのですが、如何でしょうか。
最後に
憲法記念日を迎えるにあたって、NHKをはじめ民放各社がアンケートを実施し、報道していました。
アンケートは、質問の内容設定如何で結果が左右されがちですが、今回一番違和感を覚えたのが「憲法改正が必要と思いますか？」というざっくりとした質問です。
「思う・思わない・よくわからない」という三者択一の設定は、あまりにも乱暴ではないか、と感じたのです。
憲法学者の多くが「違憲」と判断する自衛隊の存在について、憲法の中でしっかりその存在を規定することについて、国民の多くは異論ないと思います。
しかし、それが即座に9条改悪、平和憲法を踏みにじるものだ、戦争国家だ…云々という短絡的な議論に結びつくのは如何なものでしょうか。
そうした議論が、アンケートの結果に大きく影響しているように思います。
侵略戦争などしないという「不戦」の誓いは固く守りつつ、独立国家としての主権を侵害されることのないよう、抑止力としての国防軍をきちんと持つことについての是非をきちんと論ずる必要があるのではないでしょうか？
その議論から逃げてはいけないのではないか、と思う次第です。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた！
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(2018.5.3記)
