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さて、今日9月6日は「く(9) ろ(6) 」の日付語呂合せ「黒の日」だそうです。
「黒の日」とは?
今から29年前の1989年 (平成元年) に、創立40周年を迎えた京都墨染工業協同組合が制定し、翌年から実施されました。
伝統染色の黒染めをPRし、黒紋服や黒留袖の普及を図る日とされています。
平安京に遷都されたのが794年、「鳴くよウグイス平安京」と年号を覚えましたね。それから1,224年が過ぎました。
京の都は、四季折々の美しい自然の変化がありました。そして、染色に欠かすことのできない京都の水が染色に適合して伝統ある京染めを生みだしたのです。
黒紋付染は、17世紀初頭に確立されたといわれています。現代に至って、紋付羽織袴や女性の喪服などが国民の礼服となり需要は高まりました。
京都の黒紋付染は、明治以降ヨーロッパの染色技術や化学染料の導入によって磨かれ、藍下 (あいした) 、紅下 (べにした) や三度黒 (さんどぐろ) などの技法が確立され、深みのある黒色が特色だそうです。(こちらのサイト参照)
黒にもいろいろある
そういえば、故事ことわざには、色に関するものがいくつかありますね。
「青は藍 (あい) より出でて藍より青し」と言えば、弟子が師匠の学識や技量を越えることの例えです。
「朱 (しゅ) に交われば赤くなる」と言えば、人は関わる相手や環境によって、良くも悪くもなるという例えです。
「鷺 (さぎ) を烏 (からす) と言いくるめる」と言えば、白い鷺であることは一目瞭然なのに、黒い烏だと言い張ることから、明らかに正しくないのに、ものの道理を強引に言い曲げることの例えです。
「黒」というイメージはどうでしょう。「白黒をつける」「黒星」「容疑者は明らかにクロだ」というように、黒は悪い者のイメージです。
江戸時代の昔から、盗人は黒装束と決まっていました。鼠小僧は、ちょっとカッコイイですが…
一方で、「漆黒の髪」という表現もあります。黒漆塗りの漆器のように、つややかな黒色を指しています。
また、最近のテレビ画面では、どれだけ深い黒が表現できるかが商品の差別化に繋がっている例もあります。
着るものにしても、喪服以外に黒をお洒落に着こなすことも増えてきました。我々の頃のリクルートスーツは紺色が定番でしたが、いつの頃からか男性も女性も黒のスーツを着るようになりました。
誰も彼もが同じ黒のスーツで就活するのも、なんか違和感を感じるのですが、その中でもキラッと光る姿勢、動作などの身のこなしがあれば良いですね。
「同調圧力の強さ」と「自尊意識の低さ」にどう対峙するか
黒という、一見差が付きにくい色をどう使うか、使いこなすか、これは難易度が高く取り組み甲斐があることだと思います。
就活には、黒のリクルートスーツを着る、という暗黙の了解は、最近よく聞くようになった「同調圧力」のなせるワザでしょう。
思えば、小さい頃から学校の教室で、周りに合わせて過ごすことを教えられて育ちました。みんなと一緒じゃないと怒られてしまいます。いじめに合ってしまいます。
そして、大きくなるにつれて「空気を読み」、状況に応じた「忖度」をするようになり、その術 (すべ) に長けた人が社会に受け入れられ、組織に入ってから出世するようになりました。
そんな自分でいいのだ、と思う (諦める) ことが「自損意識の低さ」になります。
「同調圧力の強さ」と「自尊意識の低さ」については、尊敬すべき若き友人が最近紹介してくれた次の記事がとても参考になります。是非、目を通してみて下さい。
「帰国子女の娘がクラスで浮いた存在に… 鴻上尚史が答えた戦略とは?」
自分は今、どんな姿勢で生きているのか?と考える時に、「同調圧力の強さ」と「自尊意識の低さ」にどう対峙しているのか、ということに思いを馳せてもいいかもしれません。
あれれ、「黒の日」から転じて、いろいろ思考が分散してしまいました。(^^;
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2018.9.6記)