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さて、「今日の一言メモ」第5回です。
同調圧力とは?
作家・演出家の鴻上尚史氏が人生相談に答えた記事があります。以前もこのブログでご紹介したことがありますが、僕が尊敬し色々と教えを乞うている若き友人に教えて貰った記事です。
その記事の相談者は、帰国子女の娘を持つお母さんで、アメリカから帰国後に入った小学校で着る服が派手だと言われ浮いた存在になってしまい娘が悩んでいる、どうしたらよいか、という相談でした。
周りに合わせてよくある服を買ってクラスに馴染むようにするのがよいか、それまで通り自分を貫くよう諭すのがよいか、皆さんならどう判断しますか?
鴻上氏がどう答えたかは、記事を読んで頂きたいと思いますが、相談者の娘さんが置かれた状況は、まさしく「同調圧力」に晒されたものといえます。日常生活でごく普通に存在するものですね。
自尊意識とは?
「自尊意識」について、鴻上氏は次のように説明しています。
自尊意識とは、自分を大切にし、自分をバカだと思わず、自分が生きていていいのかと疑問に思わず、自分の発言に自信がなくて言いたいことが言えないなんてことがない、自分はかけがえのない自分であるという意識です。
昨年秋のクールで話題になったテレビドラマ「義母と娘のブルース」をご覧になった方も多いでしょう。我が家も録画して一話も欠かさず見ていました。
その中で、綾瀬はるか演じる義母が、娘の通う小学校PTA役員のやり方に疑問を持ち対峙するシーンがあります。PTA役員のご機嫌を損ねたくない先生たちが義母を説得しようとし、娘も問題を起こさないでくれと義母に懇願します。
そこで義母は先生たちに、こう言い放ちます。
「あなた方は、揉め事を起こさないよう長いものに巻かれろと言うのですか。そんな親の背中を子どもに見せてもいいと思っているのですか。そんな親の背中を見て育った子どもは、その親を見習ってそんな大人になっていくでしょう。それで本当にいいのですか?」
記憶に頼って書きました。正確なセリフはもっと的確な表現だった思います。
これこそ「同調圧力」と戦い「自尊意識」を高く保った姿勢でしょう。
同調圧力とうまく付き合い、自尊意識を高く保つ
そんな「義母と娘のブルース」の1シーンを見て、スカッとした大人も多いと思います。そして、心の中で「これはあくまでドラマだからね…現実世界では、こうはいかないよね…」と呟いたかもしれません。
確かに現実世界で、義母のやった通りにできるかと言えば難しいかもしれません。
といって同調圧力に屈し、ずっと長いものに巻かれていくわけにもいきません。どうやったら同調圧力とうまく付き合えるか工夫する必要があるでしょう。
そして、その根底には自尊意識を高く保ち続ける姿勢が大切です。
ちょっと話は変わりますが、「韓信の股くぐり」という故事ことわざがあります。
「韓信」とは、漢の天下統一に功績のあった名将です。その韓信が若い頃、町のごろつきに喧嘩を売られたのですが、韓信は大志を抱く身でしたからごろつきと争うことを避けました。
言われるままごろつきの股の下をくぐらされるという屈辱をあえて受けましたが、その後韓信は大成し、天下統一のために活躍したという故事から、将来に大望のある者は、目の前の小さな侮りを忍ぶべきという戒めとなったのです。
強い同調圧力に晒された時は、「韓信の股くぐり」を思い起こすのも一法ですね。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2019.1.9記)