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さて、「今日の一言メモ」第112回です。
徳をもって恨みに報いる
「怨みに報ゆるに徳を以てす」「仇 (あだ) は恩で報ぜよ」「怨みは恩で報ぜよ」とも表現されています。
ひどい目にあって怨みを抱くような相手であっても、仕返しをするのではなく、 許しの心で温かく接するべきである、という意味です。
怒りの感情というものは、多くの場合、些細なことが原因で起こるものです。 たとえ憎いと思っても、できるだけ相手を許し、逆に恩恵を与えるような気持で 接するべきである、ということですが、なかなか難しいですよね。
このことわざは、老子の言葉ですが、論語の中にも書かれているようですから、中国では、 かなり古くからあった言葉のようです。
仇を恩で返せるか…
世に、恩を仇で返すとか、飼い犬に手を噛まれるとか、恩知らずの事例は多く聞きますが、仇を恩で返した事例はついぞ聞いたことがありません。
かつて、第二次世界大戦後に、当時の中国の指導者である蒋介石が、日本に対して「怨みに報いるに徳をもってす」と言ったそうです。
怨みに対して報復せず、むしろ徳 (=得、相手の利益になること) をもって報いる。その方が長い目で見てうまくいくし、こちらの徳=得にもなる――これはなかなか高度な政治的判断ですよね。
でも、個人の問題として考えると、ひどい目にあって怨みを抱くような相手に、そのような振る舞いができるかと問われると…う〜ん、ちょっと自信がないかも。
徳を以て報いることはできなくとも、まあ、そっとフェードアウトして恨み・つらみは持たないようにするのが限界でしょうか…
貴方は、どうですか?
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2019.5.18記)