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さて、「今日の一言メモ」第361回です。
「夕刊紙の日」
今日2月25日は、「夕刊紙の日」だそうです。
今から51年前の1969年 (昭和44年) 2月25日に、日本初の駅売りタブロイド判夕刊紙「夕刊フジ」が創刊されたことに由来する記念日です。
夕刊紙とは、夕刊を専門に発行する新聞のことで、夕刊専売紙とも言うそうです。
一般的に、駅の売店などの店頭で販売され、帰宅するサラリーマンを主な想定読者とした小型サイズ (タブロイド) のものが殆どです。
代表的な夕刊紙には、夕刊フジ、日刊ゲンダイがありますね。店頭には大きくセンセーショナルな見出しが並びますが、その内容は往々にして誇張、また煽情的と言われています。
上から下を見下ような風潮は如何なものか
最近の夕刊紙や週刊誌の見出しを目にすると、「嫌韓論」を展開して人目を引き、販売部数を伸ばそうとしているように思います。
韓国について、いろいろ意見があることは十分理解しますが、誇張された表現でことさらに貶めるような内容は、「ヘイト」のそしりを免れないかもしれません。
法務省は、「ヘイトスピーチ」の定義を次のように定めています。(こちらのサイト参照)
特定の国の出身者であること又はその子孫であることのみを理由に, 日本社会から追い出そうとしたり危害を加えようとしたりするなどの 一方的な内容の言動が,一般に「ヘイトスピーチ」と呼ばれています
どうも「嫌韓論」の根底には、日本は上、韓国は下、という上からの立場で見下すような風潮を感じます。
国対国の間には、縦の関係などなく、あくまで対等の横の関係でなければならないでしょう。国によっては好き嫌いはあるかもしれませんが、嫌いだからといって別にその国が劣っているというわけでもないでしょう。
これは人間対人間でも同じことです。職場から日常生活まで、ことさらに優位性を誇示しようとする (マウンティングしてくる) 人がいます。ネットの世界で見ず知らずの他人にマウンティングしている輩を見かけることもあります。
対人関係を「縦の関係」から「横の関係」に変える
この世で生まれれば、他人との競争は避けて通れません。学校の成績や運動会のリレー競争、受験戦争、就活、出世競争など小さい頃から大人になっても競争社会から逃れられません。
勝ち負け、優劣がつけられる社会では、いやおうもなく上下関係が生じ、縦社会になります。
そして、縦社会では、「褒める」「叱る」行為が当たり前に行われます。「褒めて育てる」と言いますが、そこには褒める側が一段高いところから見下している印象が拭えません。
無闇に褒められたら、なんだかバカにされているように感じるのは、そのせいでしょうか。
「褒める」も「叱る」も、それは「評価」であり、評価する限り対人関係は「縦の関係」に留まります。
では、そんな縦の関係を横の関係に変えられるのでしょうか。
一つの考え方は、褒めるのでもなく叱るのでもないアプローチをすることです。それは「感謝」「喜び」「お礼」「尊敬」というやり方でしょう。
他者の行為に対して「ほんとにありがとう!」と感謝の言葉を伝える。
他者がしてくれたことに対して「うわぁ!すごい嬉しい!」と喜びの言葉を伝える。
他者が助けてくれたことに対して「いやぁ、ほんとに助かったよ!」とお礼の言葉を伝える。
他者が自分にできないことをしたら「わぉ!そんなことできるんだ!素晴らしい!」と尊敬の念を伝える。
こうした言葉は、他者を「評価」して出てくるものではなく、素直な感情表現だと思います。
褒められるということは、他者の物差しによって「良い」と評価されたことです。もしも褒めてもらうのを望むのなら (承認欲求に従うなら) 、他者の物差しに合わせ、自らの思いや考えにブレーキをかけることになるでしょう。
一方、「ありがとう」は評価ではなく、もっと純粋な感謝の言葉です。人は感謝の言葉を聞いた時に、自らが他者に貢献できたことを知り、自らの存在価値を確認します。
組織の中では、職制上定められた上下関係があるでしょう。それは組織として必要なことです。そしてそこで定められた指示命令系統には従う必要がありますが、上司であっても一人の人間です。仕事の上では上下の関係でも、人間としては横の関係を保つべきです。
その関係では、自分の思ったことや考えたことをキチンと言うべきです。唯々諾々と従うことは、自分の自由を放棄して、他人の人生を生きることになってしまうからです。
また、自分より年上の人に対しては、きちんと礼節をわきまえ尊敬の念を忘れずにいることが大切ですが、やはり人間として横の関係を保つよう努めます。
立場上、相手より上に立つ人間、また相手より年上の人は、その立場・年齢にふさわしい指導力や経験に基づく助言力などを発揮しつつ、人間としてはあくまで対等であり、横の関係であることを常に意識し、謙虚な姿勢を保って相手に接することが必要だと思います。
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さて、今日はここまでにしましょう。
では、また!
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(2020.2.25記)