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さて、「今日の一言メモ」第410回です。
「拾得物の日」
今日4月25日は、「拾得物の日」だそうです。今から40年前の1980年(昭和55年)4月25日に、東京・銀座で現金1億円の「落し物」が見つかり、拾得物として届けられたことにちなんでいます。
結局、落し主は現れず、拾った人に全額が渡ったということでニュースになりました。
法的には、遺失物(一般的には忘れ物、落し物)を拾った者を拾得者(しゅうとくしゃ)、拾われた物を拾得物(しゅうとくぶつ)というそうです。
遺失物の扱いについては、民法及び遺失物法で定められていて、「拾得者は、速やかに拾得をした物件を遺失者に返還するか、または警察署長に提出しなければならない」とされています。
この義務に違反すると、遺失物横領罪(刑法254条)に問われてしまいます。
「金の斧、銀の斧」
拾得物と聞くと、イソップ寓話の「金の斧、銀の斧」を思い出します。あらすじは次のような内容でしたね。
あるきこりが川辺で木を切っていたが、手を滑らせて斧を川に落としてしまう。
困り果て嘆いていると、ヘルメース神が現れて川に潜り、金の斧を拾ってきて、きこりが落としたのはこの金の斧かと尋ねた。
きこりが違うと答えると、ヘルメースは次に銀の斧を拾ってきたが、きこりはそれも違うと答えた。
最後に失くした(鉄製の)斧を拾ってくると、きこりはそれが自分の斧だと答えた。 ヘルメースはきこりの正直に感心して、三本すべてをきこりに与えた。
それを知った他のきこりは、わざと斧を川に落とした。
ヘルメースが金の斧を拾って同じように尋ねると、そのきこりはそれが自分の斧だと答えた。ヘルメースは呆れて何も渡さずに去り、恥知らずなきこりは自分の斧を失った。
「神は正直な者を助け、不正直な者には罰を与える」という教訓なわけです。
正直者が報われる世の中になって欲しい
35年前に銀座で現金1億円を拾った人は、中身を知らずに届け出たのか不明ですが、きちんと正直に届けたから何のやましさもなく、後日全額を受け取れたと思います。
ただ、職業や実名が報道されてしまったようで、その後の人生がハッピーだったかどうかは分かりません。
にしても、コロナ禍の現在、給付金や休業補償を巡る詐欺メールが飛び交うなど、善人からお金を掠め取ろうという輩が横行しています。震災が起きたりすると、どこからともなく湧き出てくる輩です。
真面目にコツコツと正直に生きてきた人から、お金を騙し取るという卑劣な行為は許せません。
「いつの世にも悪は絶えない」のは、鬼平犯科帳のオープニングナレーションですが、いつかは、いつの世も正直者が報われる時代になって欲しいものです。
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さて、今日はここまでにしましょう。
では、また!
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(2020.4.25記)