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さて、「今日の一言メモ」第627回です。
「人間万事塞翁が馬」
「人間万事塞翁が馬」(にんげんばんじさいおうがうま)とは、人生における幸不幸は予測しがたいということを指しています。幸せが不幸に、不幸が幸せにいつ転じるか分かりません。なので、安易に喜んだり悲しんだりするべきではないという例えです。単に「塞翁が馬」とも言います。
これは、次のような中国の故事に基づいています。
昔、中国北方の塞(とりで)近くに住む占いの巧みな老人(塞翁)の馬が、胡の地方に逃げ、人々が気の毒がると、老人は「そのうちに福が来る」と言った。
やがて、その馬は胡の駿馬を連れて戻ってきた。人々が祝うと、今度は「これは不幸の元になるだろう」と言った。
すると胡の馬に乗った老人の息子は、落馬して足の骨を折ってしまった。人々がそれを見舞うと、老人は「これが幸福の基になるだろう」と言った。
一年後、胡軍が攻め込んできて戦争となり若者たちはほとんどが戦死した。しかし足を折った老人の息子は、兵役を免れたため、戦死しなくて済んだ。
日経平均株価最高値の日
今日12月29日は今から31年前、1989年の証券取引所大納会で、日経平均株価が算出開始以来の最高値 (ザラ場 38,957.44円、終値 38,915.87円) を記録した日です。
時はあたかも、あのバブル景気が絶頂期を迎えようとしていました。しかし、その後バブル景気は崩壊し、株価も急激に下落することになります。投資家にとっては一喜一憂するジェットコースターのような日々だったでしょう。
一喜一憂したら、その総量を味わう
次の本は、今年読んだ本の中で一番でした。なかなかに目から鱗が落ちる内容が多かったのです。是非、一読をお勧めします。
その中に、次の一文がありました。少し引用させてもらいます。
……(以下、引用)……
人生には「喜」「楽」はもちろん「怒」「哀」もあったほうがいい。喜んだり怒ったり、哀しんだり楽しんだりがたくさんあるほうが面白いし、人生は豊かになるはずです。だから喜怒哀楽はプラス・マイナスで計算するのではなく、その総量の絶対値でとらえたほうがよいのです。
……(引用終わり)……
人間だれしも「喜び、楽しみ」がたくさんあった方が嬉しいし、「怒り、哀しみ」は少ない方がいいに決まってます。だから、前者はプラスで後者はマイナスと感じるわけです。
でも、筆者が書いているように、プラスマイナスではなく総量の絶対値で捉え、それが大きい方が人生が豊かになるという考えもあるわけです。
「怒」「哀」は、「喜」「楽」のありがたさを何倍にも感じさせてくれるはずです。人は誰でも生きている間に、親しい人の死に直面する場面があるでしょう。親兄弟であれ、親しい友人であれ、その死に直面すれば身が引き裂かれるような悲しみに襲われるはずです。
でも、日にち薬のお陰で少し悲しみが癒えれば、残された命の尊さに気づき、それがどんなにありがたいことかに思いが至るでしょう。
生きていれば一喜一憂することが多いと思いますが、それらのすべてを受け容れ「それが人生さ……」と味わうことにしたいと思います。
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さて、今日はここまでにしましょう。
では、また!
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(2020.12.29記)