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さて、『今日の一言メモ』第862回です。
「セレンディピティの日」
今日1月28日は、「セレンディピティの日」です。今から268年前の1754年1月28日に、イギリスの政治家にして小説家であるホリス・ウォールポールが、初めてこの単語を使った事がその由来だそうです。
セレンディピティ(serendipity)とは、彼が生み出した造語であり、彼が子供のときに読んだ『セレンディップの3人の王子』(The Three Princes of Serendip)という童話にちなんだものだとか。
この言葉の持つ意味は、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指しています。
何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見する「能力」を指すのだそうです。平たく言えば、ふとした偶然をきっかけにひらめきを得て、幸運をつかみ取る能力ということになります。
「構えのある心」がセレンディピティのポイント
科学の発展には、さまざまな失敗がつきものです。一つの仮説を立て、実験を経て検証していく作業にしても、何百回いや何千回失敗しても諦めずに探求した結果が成果となって現れるのです。
iPS細胞の作製により、2012年のノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授の言葉が印象に残っています。
実験が失敗したということは、うまくいかないことを
証明したということであり、そのことが意味を持つ
そうした失敗を含む数々の経験を経て培われる「構えのある心」(the prepared mind)がセレンディピティのポイントだといいます。
それは、フランスの生化学者・細菌学者であるルイ・パスツールの次の言葉に端的に表されています。
観察の領域において、偶然は構えのある心にしか恵まれない
日々の蓄積、積み重ねがあってこそ、ここぞという時に偶然に訪れたチャンスをしっかり活かすことができるわけですね。
ちなみに、パスツールはワクチンの予防接種という方法を開発し、狂犬病ワクチンやニワトリコレラワクチンを発明しています。現在のコロナ禍にあって、ワクチンを接種できるのはパスツールのお陰なのですね。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2022.1.28記)