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さて、『今日の一言メモ』第894回です。
「心頭を滅却すれば火も亦涼し」
「心頭を滅却すれば火も亦涼し」(しんとうをめっきゃくすればひもまたすずし)とは、心の持ち方ひとつで、いかなる苦痛も苦痛とは感じられなくなるという意味です。
無念無想の境地に至れば、火さえも涼しく感じられるということから、どんな苦痛であっても、心の持ち方次第でしのげるという教えになっています。
中国、晩唐の詩人 杜荀鶴の詩『夏日悟空上人の院に題す』に、「安禅必ずしも山水を須いず、心中を滅し得れば自ら涼し(安らかに座禅をくむには、必ずしも山水を必要とするわけではない。心の中から雑念を取りされば火さえも涼しく感じるものだ)」とあるのに基づくそうです。
「火事場の馬鹿力」にも通じる
「火事場の馬鹿力」というと、火事のときに、自分にはあると思えない大きな力を出して重い物を持ち出したりすることから、切迫した状況に置かれると、普段には想像できないような力を無意識に出すという例えです。
人間は、本来備わっている能力の十分の一も、普段は発揮していないと言われています。そうした能力を引き出す修行を積めば、常人には信じられないような力を発揮することもできるのでしょう。
集中力を発揮する工夫
火事場の馬鹿力を発揮するには、どれだけの集中力が必要なのでしょうか。それは、きっと体中のアドレナリンを総動員して、それを一点に集中することで生み出される凄まじいエネルギーなのでしょう。
そんなエネルギーの十分の一でも、普段集中力が必要な場面で発揮できれば、人間相当なことができそうです。
まあ、なかなかそんなことはできないと思うので、なんとか集中力を妨げる要素を注意深く排除し、絞り出した集中力をできるだけ長続きさせる工夫をしないといけないでしょう。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2022.5.7記)