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さて、『今日の一言メモ』第908回です。
「玉磨かざれば光なし」
「玉磨かざれば光なし」とは、すぐれた才能や素質を持つ人物でも、努力して自分を磨かなければ、その才能や素質を活かせないという意味です。
「玉」は丸い形の宝石のことで、「珠」「璧」とも書きます。宝石が原石のまま磨かれなければ美しい光を放たないのと同じように、人もどんなに才能があっても、学問や修業を怠れば立派な人間にはなれないということです。
中国の周から漢の時代にかけて儒学者がまとめた礼に関する書物『礼記・学記』に、「玉琢かざれば器を成さず、人学ばざれば道を知らず」と記載された部分に基づくそうです。
「為せば成る」か、「磨けば光る玉」か
世に「為せば成る、為さねば成らぬ何事も」という言葉があります。どんなことでも強い意志を持ってやれば必ず成就するということで、やる気の大切さを説いた言葉です。
江戸時代後期、米沢藩主の上杉鷹山が家臣に「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」という歌を教訓として詠み与えたという話は有名ですね。
ただ、為せば成る、といっても、磨けば光る玉でないと、なかなか成就することは難しいと思います。磨いても磨いても光らない玉もあるわけで、それは方向性を変えないといけないでしょう。
磨いた玉が置かれる環境を整える
最近では、集団より個を大切にする風潮が強まりつつありますが、まだまだ日本人は同じ方向に向かって玉を磨こうとしているように思います。
曰く一流大学を出て、一流企業や官公庁に勤めることが格差社会を生き延びる術、のような風潮はまだまだ根強いと感じます。
また、多くの国会議員は当選回数や年齢による序列が重視され、中央省庁でも入省年次による昇進ルールなどが今も存在し、意欲と能力のある若手が議員を目指さなかったり、早い段階で省庁に見切りをつけ辞めてしまうケースも多いと聞きます。これでは日本が良くなるわけがありません。
磨かれた玉が光り輝く環境が必要です。一般企業は、自らの改革を怠れば淘汰されてしまうでしょう。でも、そうした市場原理の働かない国会や中央省庁については、早急な改革が求められますが、それは岩盤規制の打破と共に至難の業と思われます。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2022.5.30記)