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さて、『今日の一言メモ』第976回です。
「羮に懲りて膾を吹く」
「羮に懲りて膾を吹く」(あつものにこりて なますをふく)とは、前の失敗に懲りて、度を越して用心深くなることの例えです。
熱い吸い物で口をやけどした者が、なますのような冷たい料理も吹いて冷ますという意味からこう言われるようになりました。多くの場合、なにもそこまで用心深くなる必要はないのに、というあざけりの気持ちを込めて使います。
「羹」とは、野菜や魚肉を入れて作る、熱い吸い物のこと。「膾」とは、現在は酢などで味付けをした冷たい和え物のことですが、そもそもは獣や魚の肉を細かく切った肉のことだそうです。
『楚辞・九章』には、「羹に懲りて膾を吹くように、用心深く身の安否を顧みよ」という意味で使われています。
用心を重ねて、何事も事なかれ主義に陥らないように
経験上、冷たい麺類を食べるときに、条件反射でついフーフーしてしまったことはあります。誰も見ていないのに、なんとも恥ずかしい思いをしました。
まあ、そんな勘違いはいいとして、度を越した用心をするのはいかがなものでしょうか。「石橋を叩いて渡る」のはいいとしても「石橋を叩いて壊す」ことがあったら、それは行き過ぎでしょう。
これは悪くすると痛そうだな、というものであっても、実際の痛みを経験しなければ学習効果はありません。命をなくしたり全財産を失うような危険がないのであれば、試してみる価値はありそうです。
特に、年齢を重ねてくるとそうしたリスクを冒すことに臆病になってきます。臆病なままだと、何事も事なかれ主義に陥ってきます。そして、保守的に保守的に生きる道を選んでしまいがちです。
というわけで、羮に懲りて膾を吹くような真似をしないよう、自戒を込めて過ごしていきたいと思います。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2022.9.10記)