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さて、『今日の一言メモ』第1011回です。
「安きに危うきを忘れず」
「安きに危うきを忘れず」とは、安泰な時であっても危機を忘れないようにという教えです。
儒教の聖典のひとつ『易経(えききょう)』の概論『繋辞伝(けいじでん)下』の「安泰な時であっても危機を忘れず、存続している時も亡びる事を忘れず、治まっている時も乱れる事を忘れない(平時に乱を忘れず)」つまり「平和な時でも、万一の時を考え、備えを怠らない事(油断してはいけない)」という意味の一文が出典だそうです。
「ユネスコ憲章記念日」
今日11月4日は「ユネスコ憲章記念日」です。今から76年前の1946年(昭和21年)の今日、ユネスコ憲章が発効し国連教育科学文化機関(ユネスコ)が、国際連合の専門機関として発足したことに由来します。
日本は、1951年(昭和26年)7月2日に加盟しました。ユネスコの正式名称は、英語で United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization, UNESCO となっています。
ユネスコ設立の目的とその精神は、教育や文化の振興を通じて、戦争の悲劇を繰り返さないという理念により、設立の意義を定めたユネスコ憲章の前文に込められています。
それは、「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」という文言に顕著に表れています。
「正常性バイアス」の危険性に注意する
1945年(昭和20年)、第二次世界大戦に敗戦して以降、日本は77年間にわたり戦争と無縁の平和な時代を過ごすことができました。戦後、アメリカとソ連(現・ロシア)の冷戦時代が長く続きましたが、ソ連の崩壊とともに冷戦も終結しました。
日本はアメリカと締結した日米安保条約により守られてきましたが、時代は進んで核の傘に守られていると安穏としていられない情勢になってきました。数年前までは、国と国との戦争など起こり得ないと思っていましたが、ロシアのウクライナ侵攻によりそれは幻想であったことが明らかになりました。
ここ数日の北朝鮮の狂ったような弾道ミサイル発射行為を見ると、今まで平和だからといって、それが未来永劫続くという保証がないことは明らかです。いつなんどき有事が発生しないとも限りません。
人間には「正常性バイアス」という特性があります。これは、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまうことで、災害時の避難の遅れなどに繋がっていることに最近注目されています。これは「正常化の偏見」とも呼ばれています。
こうした特性があることを知っているだけで、いざという時の行動が変わるでしょう。昨日までの延長線上に必ず明日がある、という間違った思い込みはゆめゆめしないようにしたいと思います。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2022.11.4記)