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閑話休題。
今から36年前の1987年(昭和62年)3月30日に、安田火災(現・損害保険ジャパン株式会社)がゴッホの「ひまわり」を58億円で落札しました。
バブル景気の絶頂期へ
時は、まさにバブル景気の絶頂期に向けて、日本が異常な雰囲気に包まれている時でした。58億円で落札されたゴッホの「ひまわり」は、現在新宿にある「SOMPO美術館」に収蔵されているそうです。
日本のバブル景気の期間は、1986年(昭和61年)12月〜1991年(平成3年)2月までの4年3か月(51か月)間を指します。この期間は、株式や不動産を中心にした資産が過度に高騰し、経済が膨張しました。
日経平均株価が、1989年(平成元年)12月29日の大納会には、史上最高値38,957円44銭を付け、いわゆる資産価格のバブル化現象が明白になった時期です。
今から思えば、狂気ともいえる世界がそこにあったのです。
バブルは遠くになりにけり
思えば、バブル絶頂期を迎えつつあった1989年(平成元年)、以前勤務していた会社の京都支店から、本社人事部門に異動になったのでした。33歳の時です。
人事では、新卒採用も担当したのですが、それもある種の狂想曲でした。新卒者の就職活動は、有名大学の卒業見込証明書さえあれば、履歴書の提出だけで、大手の銀行・企業が内定を出すというような状況でした。
また、内定者の囲い込みも一流企業ほど激しく、3S と呼ばれる「ステーキ・すき焼き・しゃぶしゃぶ」のご馳走攻勢に、プラス1Sという「ソープランド」の接待も付くということがまことしやかに言われていました。
当時の学生が、勘違いしたのも無理はありません。内定時代は、蝶よ花よともてはやされて、入社した途端に厳しい生存競争にさらされることになったのです。
そのギャップに耐えかねて、入社3年以内に退職する「第二新卒」が続出しました。あれから30年の時が経ち、当時の新卒者も今は50代を迎え、企業の最前線でリーダーとして活躍している人が多いことでしょう。
いい大学を卒業し、いい企業に就職し、一生勤め上げる中で結婚し、郊外に住宅ローンでマイホームを建て・・・という路線が通用した良き時代だったわけです。
今の時代は、真の「個」が大切
今の時代は、いい企業と思って就職しても、いつ何時どうなるか分かりません。2008年に起きたリーマンショック以降、さまざまな業種の企業が次々と倒産しました。
日本でも大企業と呼ばれたシャープや東芝でさえ、生き残りに必死になりました。今やどんな大企業も安泰という時代ではなくなったのです。
これからは「個」の時代と言われて久しいです。組織の中にあっても年功序列が崩れ去った厳しい状況下で、自分の強みは何か、その強みでどのような成果を挙げていくか、今後ますます問われてくるでしょう。
そうした中で、シニア世代になったわけですが、これからも年金にだけ頼るようなライフスタイルは避けて、これまでのセカンドステージに続くサードステージを確立していきたいと思っています。
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(2023.3.30記)