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「教うるは学ぶの半ば」
「教うるは学ぶの半ば」とは、人に何かを教えるときは、半分は自分にとっての勉強にもなるという意味です。
人にものを教えるためには、自分自身が勉強してよく理解していなければ教えられないことからこう言われるようになりました。『書経・説明下』にある言葉だそうです。
教えて初めて知る自らの未熟さ
いろんことを「知っている」「分かっている」のと、それを「やれる」「できている」との間には雲泥の差があります。
「泳ぎ方」をいくら本を読んで知っていても、実際に泳げるようになるわけではありません。ましてや、人に泳ぎ方を教えるなどできません。
また、実際に泳げても、どうしたらもっと速く泳げるようになるか指導することも難しいでしょう。教えるとは、自分が10持っていることの精々2〜3を相手に渡す程度が精一杯です。
なので、相手に10渡したいと思ったら、自分は30〜50持っていないといけないわけです。そして、人に教えて初めて自分の未熟さを思い知るのです。
人に教えることが、自らを鍛えるのに最も有効な手段
僕が会社員時代、人事部に所属し教育研修を担当したことがありました。毎年新入社員が入社して、入社時研修をしたものです。入社式を済ませて1週間程度は、集合研修を行い座学で基礎を学ばせます。
その後は、それぞれの配属先で先輩社員がマンツーマンのOJTリーダーとして新入社員を鍛える仕組みでした。先輩社員たちには「魚をプレゼントするのではなく、魚の釣り方を教えてやってくれ」と口を酸っぱくしてお願いしました。
すなわち、最初はイチから教えたとしても、ある程度慣れてきたら、新入社員が仕事で分からないことに対して、すぐに答えを教えるのではなく、どうしたら正しい答に辿り着けるか、その道筋を教えてやって欲しいとお願いしたわけです。
こうした経験から分かったのは、一番成長したのは新入社員本人ではなく、OJTリーダーを務めた先輩社員たちだということです。
「人に教わるより、人に教える方がずっと成長する」というのは、どんなに歳を重ねても変わらない法則だと思います。なので、いくつになっても人に教えるだけの秀でたものを持っていたいものです。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2023.5.29記)