さて、強い寒気に日本列島がすっぽり覆われ、爆弾低気圧による台風並みの暴風と大雪で、北海道を中心に大きな被害が出ています。
今朝は、東京でも気温が氷点下を記録し、今シーズン初めての冬日となりました。
なぜこの時期にこんな寒波が?
ニュースで見ると、北海道の人々がインタビューで、こんなことは1月・2月にたまにあるが、12月にあったという記憶がない、と答える方が多かったです。
確かに、関東地方でも12月にこんな寒さが続いた記憶はありません。では、なぜ地球温暖化が進んでいるというのに、このような寒気が日本を襲うのでしょうか?
この寒気は温暖化のせい?
昨晩テレビを見ていたら、「ニュースステーション」でこのメカニズムについて解説
していました。
要約すると、次の通りです。
温暖化で海面温度が上昇したメキシコ湾流が北上する
↓
北極近くのバレンツ海の氷を溶かす
↓
その上空の温度が上昇することで偏西風が蛇行する
↓
本来北に留まっているはずの寒気を南下させる
ふ〜む・・・気になったので確認してみました。
温暖化が進展する中で異常低温が発生している事実
日本経済新聞電子版のサイトの記事 (2012/2/6 7:00) に、異常低温が発生する仕組みについて記載がありました。以下要約してみます。
気象庁が発表している日本の冬の平均気温のグラフをみても、全体的なトレンドとして温暖化の傾向は明らかだが、次のグラフを見ても分かるように、平年と比べて寒い冬は、近年でもたびたび出現している。
同じく気象庁が発表している図を見ると、2010年も北半球を中心に、世界各地で大規模な「異常低温」が発生している。
北極海の海氷が解けて日本が寒冬に
「温暖化が日本の寒冬につながるメカニズム」は、次の通り。
- まず、温暖化によって北極海の氷が解ける。実際のところ、このところ特に夏の海氷面積が縮小している。
- 海氷は太陽光の反射率が海よりも高いので、その面積が縮小すると、従来よりも太陽の熱を吸収しやすくなる。さらに海氷は海から大気への熱伝達を遮断する“断熱材”としても働いているが、海氷面積が小さくなることで大気への熱放出が増え、北極海周辺の大気が暖まる。
- 大気が暖まると、そこの上空で気圧が高くなる。
- 偏西風帯のジェット気流がスカンジナビア半島北東、北極海の一部「バレンツ海」付近で北側に押し上げられ、その反動でシベリアから中国大陸に向かって、南側に大きく蛇行する。
- 蛇行によってシベリア高気圧を強める作用が働き、強い寒気が中国大陸から日本列島に南下しやすくなる。
もちろん、気候システムは多くの要素が複雑に関連し合って成り立っているので、北極海の海氷の減少だけで日本の冬の寒さが説明できるわけではない。
まとめ
地球温暖化と聞くと、「地球全体の平均気温が均等に数度上がる」ようなイメージを持ちます。
しかし、調べてみるそうではなく、「平均気温の上昇で従来の気候システムが変化し、予期せぬ異常気象が増える可能性が大きくなる」現象であることが分かりました。
それを考えれば、局地的な寒冷化の頻繁な発生は、これからもますます増えていく可能性があります。
また、さらに温暖化が進めば、こうしたメカニズムも働かなくなって、一気に暖冬傾向へと局面が転換する可能性もあるとのことです。
人間の経済活動により急速に進んでいる地球温暖化が、この先どのような影響を及ぼすのか計り知れません。
地球温暖化防止京都会議 (COP3) が閉幕し、京都議定書が採択されたのが、今から17年前の1997年12月11日。このブログでも記事にしました。
12月11日は、1997年に京都議定書が採択された日 – 美しい地球を後世に残したい – | ITで第二の人生を切り拓く、シニア起業家ブログ
現在も新たな地球温暖化防止の枠組みが検討されているようですが、全世界的な協力体制が組まれているとは言い難い状況のようです。
今回の衆議院議員総選挙で長期安定政権の足元を整えた安倍政権には、こうした地球規模の取り組みについても是非リーダーシップを発揮して欲しいと願っています。
なんとかこの美しい地球を後世に遺すために…
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さて、今日はここまでにしますね。
ではまた!
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(2014.12.18記)