さて、「今日は何の日?」シリーズ第128回をお送りします。
今から17年前の1997年12月11日に、地球温暖化防止京都会議 (COP3) が閉幕し、京都議定書が採択されました。
地球温暖化を緩和するには
ここ30年の世界の年平均気温の偏差の経年変化は、次の通りです。
次の図は、1960年〜1990年の平均値に対する、2070年から2100年の地表面の平均気温変化量の予測です。
地球上すべての地域でかなりの温度上昇が予測されています。
調べてみたところ、日本では2008年5月末に、国立環境研究所を始めとする国内14機関により、温暖化影響総合予測プロジェクト報告書「地球温暖化 日本への影響-最新の科学的知見-」が発表されていました。
水資源、森林、農業、沿岸域、健康の5分野を対象に、下記のような影響予測が出されています。これは温暖化が20年あたり約1℃のペースで進行した場合の予測だそうです。
- 豪雨の増加に伴う洪水の被害額が、2030年に年間約1兆円に達する危険性
- 斜面災害など土砂災害のリスク増大
- 積雪に由来する水資源の減少により、代掻き期の農業用水が不足する可能性
- ブナ林の大幅な減少、松枯れの増大、湿原の減少
- 米など作物の生産適地の北上、収量の変化 食糧供給に影響する危険性
- 高潮浸水面積の増大、河川堤防の強度低下、地下水位の上昇
- 砂浜や干潟の消滅による数兆円規模の経済損失の危険性
- 気温上昇による熱ストレス死亡リスクの増大、大気汚染や感染症の分布への影響
影響予測は、勿論その後も研究が続けられています。
地球の歴史上、気候の温暖化や寒冷化は幾度も繰り返されてきたと考えられていますが、20世紀以降温暖化が急速に進んだ要因の一つは、人間の経済活動により二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出が増加したことです。
この美しい地球を後世に引き継いでいくためには、この温暖化をなんとか緩和する必要があります。
京都議定書とは
京都議定書 (Kyoto Protocol) は、1997年12月に京都市の国立京都国際会館で開かれた第3回気候変動枠組条約締約国会議 (地球温暖化防止京都会議、COP3) で採択された、気候変動枠組条約に関する議定書です。
正式名称は、気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書(英: Kyoto Protocol to the United Nations Framework Convention on Climate Change)となっていました。
批准国は次の図の通り、世界のほとんどの国が批准していますが、アメリカは自国の経済活動を優先して批准を拒否しており、またカナダは途中離脱しています。
京都議定書では、地球温暖化の原因となる、温室効果ガスの一種である二酸化炭素 (CO2)、メタン (CH4)、亜酸化窒素 (N2O)、ハイドロフルオロカーボン類 (HFCs)、パーフルオロカーボン類 (PFCs)、六フッ化硫黄 (SF6) について、先進国における削減率を1990年を基準として各国別に定め、共同で約束期間内に目標値を達成することが定められました。
日本の削減目標6%についての、達成状況はどうなっているのでしょうか?
2008年度から2012年度の国内の排出量の平均は、目標に反して基準年 (1990年) に対して1.4%上回ったそうです。これに森林吸収量の目標と京都メカニズムクレジット (国外での活動、削減量の国家間取引など) を考慮すると、基準年比△8.2%となり、目標を達成する見込みとなっていました。
この目標値の決め方などについては、さまざまな議論があったようで、その具体的効果について疑問視する向きもあったようです。
しかし、なんらかの枠組みを決めて、世界的に温暖化を防止する取り組みは絶対に必要なことでしょう。自国の経済優先というアメリカの姿勢は、世界のリーダーたる大国としていかがなものかと思います。
中国北京の排気ガスのスモッグで曇った景色やPM2.5の話題が出るたびに、経済大国となった立場で、クリーンな環境を整えるリーダーシップを発揮して欲しいと思います。
というわけで、なんとか後世に美しい地球を残したいと願ってやまない雨の木曜日の朝なのでした。
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さて、今日はここまでにしますね。
ではまた!
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(2014.12.11記)