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地方創生・・・文化庁の京都全面移転は2019年度以降の見通し…霞ヶ関ではこれが普通のスピード感?

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さて、東京一極集中是正策の一環として政府が取り組んできた中央省庁の地方移転ですが、今年の3月に文化庁の京都全面移転が公表されました。

そして、先日その全面移転の時期は、2019年度以降の見通しであることが分かった、という報道がありました。(こちらの記事参照)

法改正などが必要とはいえ、こんなに時間がかかるのが普通なのでしょうか?

これまでの経緯

2016年3月に、安倍晋三首相が本部長を務める「まち・ひと・しごと創生本部」が、政府機関の地方移転に関する基本方針を発表し、文化庁については、数年以内の全面移転を明らかにしました。

「まち・ひと・しごと創生本部」(2014年9月設置)は、人口減少克服と地方創生の司令塔の役割を担う内閣直属の組織で、政府機関の移転を「東京一極集中を是正し、地方創生を進めていくための重要な施策」と位置付けてきました。

文化庁は、1968年に文部省 (現・文部科学省) の外局として設置されました。芸術文化の振興、文化財の保護・活用、著作権保護、宗教に関する行政実務等を行う機関です。

文化財が集積し、伝統文化も残る京都は、早くから有力な移転先に挙げられ、自治体も誘致に積極的でした。2002年には、当時の文化庁長官・河合隼雄が執務拠点 (長官室分室) を京都国立博物館内に設置し、2015年には京都府・市・財界が一体となって政府に移転提案書を提出したという経緯があります。

政府は「文化庁移転協議会」を設置し、4月に第1回、8月に第2回の会合を開催し、具体的な移転計画を検討してきました。

なお、文化庁長官をはじめ、職員 (定員233人) の大半は京都に移転しますが、国会答弁の担当者などは東京に残る見通しとされています。

7月に京都市で業務の実証実験実施

文化庁は、今年の7月11日から24日までの間、移転が決定している京都市で業務の実証実験を実施しました。職員約30人を交代で派遣し、常時10人程度が勤務し、京都市や関西の各自治体などと協議し、課題を探ったのです。

実証実験は、京都芸術センターの執務室で行われ、同庁職員が東京・霞が関の本庁とテレビ会議で連絡を取り合いました。

また、京都市と劇場や音楽などの活性化事業、若手芸術家の育成といった具体的なテーマについて打ち合わせをしたとのことです。今後の予定では、2017年8月末までに国と京都側との費用負担割合や、具体的な移転先の建物を決めるほか、勤務の仕方など具体的な内容について検討を進めるとしています。

最後に

移転に際しては、文科省設置法の改正が必要となるようで、2018年の通常国会に組織再編に関する法改正案を提出したいとしています。

こうした手続きを経て、移転の環境が整うのは、2019年度以降となるようです。

さて、これくらいのスピード感は、霞ヶ関では特に違和感がないのでしょうか?

法改正が必要な官庁の移転とはいえ、どうにもスピード感のなさを感じてしまいます。

民間企業で考えれば、社員数250名弱の本社を東京から京都に移転するのに、移転決定から移転実施まで、3年強もかかるということは考えられないのではないでしょうか?

当ブログのこちらの記事でご紹介していますが、文科省は2017年度予算の概算要求で、移転する文化庁の組織の執務場所の賃料や出張費に充てるとして、約2億円を計上しています。

こうした予算手当は、2018年度も2019年度も必要になってくるわけです。

再び、民間企業で考えると、社員数250名弱の本社移転に何年もかかり、その移転準備費用に毎年2億円もかけていたら、その会社の経営は大丈夫なのか、と思ってしまいます。

というわけで、今回は文化庁移転に要する期間に違和感を感じた次第です。

・・・・・・・
さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
 
 
・・・・・・・・・・・・
(2016.9.17記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

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人生のセカンドステージを、ポジティブ&アクティブに過ごすことを目指して、アラカン(アカウンド還暦)世代の筆者が思いを綴るブログ。
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