Challenge Next Stage 〜目指せ!出版への道〜

地方創生・・・ “総合戦略 (2016改訂版) ” が決定、いよいよ具体的な事業展開の開始へ

0

0

0

0

0

(画像出典元はこちら)

さて、昨日のブログで、地方創生の施策の方向性を示す「総合戦略」の改訂版が閣議で決定したことと、その概要をご紹介しました。

今日は、改訂版の全体像とポイントに注目してみました。

「長期ビジョン」と「総合戦略(2016改訂版)」の全体像

まち・ひと・しごと創生本部による、「長期ビジョン」と「総合戦略(2016改訂版)」の全体像 (詳細版)は次のようになっています。

長期ビジョンとしては、2060年を視野に入れた展望として、以下の2点が挙げられています。

  1. 人口減少問題の克服 (東京一極集中の是正)
  2. 成長力の確保

そして、この長期ビジョンを実現するための中期的 (〜2019年度) な総合戦略として、基本目標 (成果指標)、主要施策と重要業績評価指標 (KPI : Key Performance Indicator) 、それを実現するための主な施策、が示されています。

(クリックで拡大、画像出典元はこちら)

先進的な取組で実績を挙げている地方公共団体

今回発表された、「まち・ひと・しごと創生総合戦略2016 改訂版」の本文の最後に、既に先進的な取組を進めている地方自治体が紹介されています。

島根県隠岐諸島の海士町・・・地域の一次産品を付加価値の高い商品にして全国に売り出し、新たな雇用の創出や地域の収入増を実現

宮崎県日南市の油津商店街・・・公募された民間人材のリーダーシップの下、多くの店舗や IT企業を誘致して賑わいを取り戻す

徳島県神山町・・・ICT環境を整備し、遠隔勤務をする人々を集めることに成功

宮城県女川町・・・2011年の東日本大震災からの復興に取り組むに当たり住民参加でコンパクトなまちづくりを進めた

そして、国の取組は、一律の政策を全国に展開するのではなく、こうした地域の創意工夫を最大限後押しするものでなければならない、と記述されています。

最後に

また、「まち・ひと・しごと創生総合戦略2016 改訂版」の本文の最後には、次の記述もあります。

地方創生は、2014・2015年度の国及び地方の「戦略策定」を経て、2016年度から本格的な「事業展開」に取り組む段階となっている。

地方行政においては、過去「予算執行」が仕事であり、執行した予算がどのような実績に結びついたのか、という「費用対効果」測定が行われてこなかったという、民間企業では考えられない現実がありました。

このため、国からの財政支援である地方創生に関する各種交付金については、申請時に成果を測る指標として 重要業績評価指標 (KPI : Key Performance Indicator) の設定が地方自治体に義務付けられました。

平成27年度 (2015年度) からスタートした、KPIの設定については、地方自治体が定量的な目標設定に不慣れなこともあり、KPIとしてはふさわしくないものもありました。

例えば、移住政策を進めるための事業に交付金を申請する場合、本来は「移住した人数」あるいは「移住希望登録人数」といった成果をKPIに設定すべきところ、「移住検討者向け説明会の開催回数」といったKPIを設定する事例がありました。

説明会の開催などは、本来成果目標を達成するための手段であり、業績評価指標として設定するのは如何なものかと、首を傾げざるを得ません。

また、交付金申請を審査し、許可する側の国が、こうしたKPIの設定を認め、許可してしまったことも片手落ちだと思います。

言うまでもなく、国から地方に支給される交付金は税金です。KPIの設定には不慣れだった地方自治体も、早くこれに慣れて、適正なKPIの設定を行って欲しいものです。

今後、地方自治体が「地域版戦略」に沿って事業展開を進めるなかで、当然国からの交付金といった支援があるわけですが、旧来の予算執行スタイルに留まらず、真に効果的な投資を行い、そして投資対効果の検証が十分に行われることを求めたいと思います。

・・・・・
さて、今日はここまでにしましょう。
 
 
・・・・・・・・・・・・
(2016.12.27記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

コメント

人生のセカンドステージを、ポジティブ&アクティブに過ごすことを目指して、アラカン(アカウンド還暦)世代の筆者が思いを綴るブログ。
Consulting Office SMART代表/富田邦明が人となりをお伝えするために運営しています。

詳しいプロフィールはこちら