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さて、これまで出版への道を志すことになった経緯、想定読者に伝えたいことを書いてきました。 (こちらのページ参照)
前回は、「やり方」は陳腐化するが、心の「あり方」は陳腐化しないものに定める必要があることを書きました。
今日は、陳腐化しやすい知識は、いくつになっても学び直す必要があることについて書いてみます。
「知識労働者の姿勢」by ドラッカー
現代経営学、そしてマネジメントの発明者といわれるピーター・F・ドラッカーについては、まず知らない人はいないと思います。
Amazonで検索すると、ドラッカーの著作・解説本・類書などを含めて、829件がヒットしました。(こちらのページ参照)
そのドラッカーが「創生の時」(絶版) という本の中に記した一文があります。
今日の社会と組織では、ますます多くの人が、
技能ではなく知能によって働く。
知識と技能には基本的な違いがある。
技能はあまり変化しない。
知識は変化する。
自らを陳腐化させる。
しかも急速に陳腐化させる。
三、四年ごとに学校に戻らなければ
時代遅れになる。
これは、若い頃習得した知識、技能、経験では
不十分になるということである。
人は変化していかなければならない。
新しい欲求、能力、世界観を持たなければならない。
自らを再生させていかなければならない。
ここでは、活性化ではなく、
あえて再生という言葉を使いたい。
50年も働くことが当たり前のこととなったからには、
自らを再生することが不可欠となる。
たんに活力を得ることを越え、
新しい自分を作らなければならない。
「人生100年時代」を生きるには?
一昨年 (2016年) の秋に出版され、一躍ベストセラーになった「LIFE SHIFT (ライフ・シフト)」(by リンダ・グラットン) は、読んだ方も多いと思います。
「100年時代の人生戦略」というサブタイトルが付いていますが、102歳で死ぬことにしている (^^; 僕にとって、非常に示唆に富んだ内容の本でした。
この本は、誰もが100年生きうる時代を、どうポジティブに生き抜くかについて、戦略的な人生設計を指南しています。
その中で特に印象に残ったのは、次の一文です。
人生で多くの移行を経験し、多くのステージを生きる時代には、投資を怠ってはならない。新しい役割に合わせて自分のアイデンティティを変えるための投資、新しいライフスタイルを築くための投資、新しいスキルを身につけるための投資が必要だ。
100年ライフの恩恵の一つは、余暇時間の使い方を見直し、消費とレクリエーション (娯楽) の比重を減らして、投資とリ・クリエーション (再創造) の比重を増やせることなのかもしれない。
100年ライフの前提として、「みんなが足並みをそろえて教育、勤労、引退という3つのステージを生きた時代は終わった」と指摘し、これからは、この3つのステージだけではないマルチステージを生きていく必要があると説きます。
そして、新たなステージを生きていくために新たな知識やスキルを身につける必要があるというのです。
いわば、古いステージで通用していた知識やスキルは、新たなステージに向かうには陳腐化したものになってしまうわけです。
最 後 に
ドラッカーは、「創生の時」の中で「自らを再生することが不可欠」「新しい自分を作らなければならない」と書いています。この本が出版されたのは、1995年で今から23年も前のことです。
でも、その言葉はちっとも色褪せていません。なので、この言葉は心の「あり方」になります。
そして、AIや自動化技術などの科学技術の進展だけでなく、さまざまな変化を遂げる現代社会にあっては、知識やスキルなどを学び直し、結果として「やり方」を時代にフィットしたものにブラッシュアップしていく必要があるのですね。
さて、長くなりましたので、続きは次回に。
では、また!
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(2018.2.8記)