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さて、「今日の一言メモ」第108回です。
今日は「種痘の日」
「種痘 (しゅとう) の日 」の由来ですが、今から223年前の1796年5月14日に、エドワード・ジェンナーが8才の少年ジェームス・フィップスの腕に、乳しぼりの女性サラ・ネルメスの手に出来た牛痘(ぎゅうとう) 病変から採った材料を接種し、天然痘(てんねんとう) を予防する方法を確立したことにあります。
これが種痘の最初です。当時、天然痘はもっとも恐ろしい病気の一つでしたが、種痘による予防が可能となってからは、天然痘による死亡者は劇的に減少しました。
1980年 (昭和55年) 5月に、世界保健機構によって天然痘の根絶宣言が出されましたが、これは世界で初めて撲滅に成功した感染症ということです。
免疫力をつける大切さ
そもそもジェンナーが、種痘という予防法を発見するきっかけは、牛の乳しぼりをしている人から、「牛痘にかかった人は、天然痘にはかからない」という話を聞いたことでした。
この話をヒントにして、ジェンナーは天然痘の研究に取り組み、牛や豚で実験を繰り返し行いました。そして、ついに「種痘」を完成させ、仮説が正しいことを証明したのです。
病気に限らず、人間が生きていく上では、いろいろな免疫力を身につけていかなければなりません。純粋無垢のままでは、生きていくのもままならない現代です。
そして、免疫力を身につけるには、軽度の悪に触れて一度感染する必要があります。
現在蔓延しているアレルギー症は清潔過ぎる環境が原因か?
最近では、牛乳・卵・米・小麦をはじめとする様々な食物アレルギー症状が発生しています。また花粉症のようなアレルギー症状も一般的になりました。
昭和31年生まれの僕にとって、育った頃を思い出すと食物アレルギーも花粉症も存在しませんでした。
まだ貧しい時代に、食物アレルギーだからこれも食べられない、あれも食べられないなどという贅沢は言っていられなかったでしょう。
そして、思い返すと今と比べて決して清潔とは言えない環境で育ってきました。でも、それがある意味免疫力をつけるのに有用だったのかもしれません。
東洋経済ONLINEに「子どもを極端に清潔な環境で育てていいのか」という記事が掲載されていました。
その記事は、『近年の研究で、人間の身体に棲みついている微生物の多くはわたしたちの健康に欠かせない存在であることがわかってきた。その大切なパートナーを「清潔すぎる」環境によって失っていることに警鐘を鳴らす科学者もいる。』という書き出しで始まっています。
確かに考えてみれば、僕が生まれ育った環境より、今の方がどれほど清潔でしょうか。そして、それが免疫力の無さに結び付いているとしても大いに肯けます。
人間関係の構築や社会生活を営む上でも免疫力は必要
これは、何もアレルギー症などに限ったことではなく、人が成長し、人間関係を構築していく過程や社会生活を営む過程において、軽度のマイナス経験を積んで、免疫力をつけておくことはとても大事なことです。
早い時期に失恋をすれば、その免疫力ができるでしょう。一度も失恋を経験することなく育てば「失恋することが恐いから、恋愛しない」ことを選択する若者になってしまうかもしれません。
早い時期に人間関係の軋轢を経験すれば、それに対処する方法を身につけることができます。それが過保護に育ち、まったく人間関係の苦労を経験しなければ、社会生活にうまく適合できないでしょう。
特に若いうちに、色々なマイナス経験を積むことは、その後の人生に大きな彩りと豊かさをもたらしてくれるのではないでしょうか。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2019.5.14記)