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さて、「今日の一言メモ」第233回です。
「月満つれば則ち虧く」
「月満つれば則ち(すなわち) 虧く(かく) 」とは、物事が盛りに達した後は、必ず衰え始めることの例えです。また、栄華を究めたことに驕ることへの戒めの言葉でもあります。
月は満月になった後は、徐々に欠けて細くなっていくことから、こう表現されています (「虧く」は「欠く」と同じです)。
『史記・蔡沢伝』に「語に曰く、日中すれば則ち移り、月満つれば則ち虧く、と。物盛んなれば則ち衰うるは、天地の常数なり。進退盈縮、時と変化す。聖人の常道なり(こう言われています、太陽はてっぺんまで昇ると落ちていき、月は満ちると欠け始めると。物事も盛んになればやがて衰えていくのが天地不変の定めです)」とあるのに基づくそうです。
「有為転変は世の習い」
月の満ち欠けは、周期的に必ず訪れます。月は、決められた軌道に沿って動くので、それがどう満ち欠けするか容易に想定できます。
人間世界でも、ピークを迎えれば必ず下降線を描きますが、それがいつ訪れるかは分かりにくいかもしれません。
「有為転変は世の習い」と言いますが、この世は常に激しく移り変わり、とどまることなく変化するものだという認識は誰でもあると思います。
問題は、その変化に翻弄されるのか、それともその変化をコントロールできるか、ということだと思います。
変化をいち早く察知し、躊躇いなく行動する
変化は、自分で起こすことより、外部環境によることが多いでしょう。そうした変化が起こることは、自分でコントロールできません。
そうした変化は不可避なので、大切なのはその動きをいち早く察知することでしょう。変化に気づかずに放置しているうちに手遅れになってしまいます。
「ゆでガエル」現象という有名な話がありますね。カエルを熱湯に放り込むと、びっくりしてピョンと飛び出てしまいますが、水に入れて徐々に熱していくと、カエルは段々増していく熱さに慣れてしまい、しまいにはゆでガエルとなって死んでしまう、という話です。
人間は、自分が今置かれている状況が居心地がいいと、そこに居続けたいと思います。でも、外部環境の変化は、そのままそこに居続けると居心地を否応なく悪くしていきます。
なので、居心地のいい状態を続けたいのであれば、外部環境の変化にいち早く気づき、先手先手を取って対応していくことが求められるでしょう。
生きていれば、認めたくない・気づきたくない変化もあるでしょう。じっとしていれば、いつか通り過ぎてくれると期待してしまう時もあるでしょう。
でも、現実と正対し、起きていることを正しく評価し、どのように対応すればいいのかタイミングを失せず的確に判断し、素早く行動しなければいけません。
その判断が正しかったかどうかは、時間が経たないと分かりませんが、少なくとも何もせずに手をこまねいているよりは良いのでないでしょうか。
なかなか難しいことですが、心掛けていきたいと思います。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2019.10.5記)