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さて、「今日の一言メモ」第471回です。
黒船が来航した日
今から167年前、1853年(嘉永6年6月3日)7月8日に、ペリー提督率いるアメリカ海軍所属の東インド艦隊艦船(黒船)4隻が、江戸湾浦賀沖に来航しました。
当時の狂歌です。
「泰平の眠りを覚ます上喜撰たつた四杯で夜も眠れず」
上喜撰という銘柄のお茶と蒸気船をかけていて、船も一杯、二杯と数えることから、当時の幕府を揶揄したものだったそうです。
アメリカは幕府に開国を要求し、巨大軍艦による武力誇示をしました。そして、翌年には交渉が開始され、全12箇条に及ぶ日米和親条約(神奈川条約)が締結されて日米合意は正式なものとなったのです。
これで、3代将軍徳川家光以来200年以上続いてきた、いわゆる鎖国が解かれました。この時から徳川幕府が崩壊して、明治維新によって新政府が成立するまでの激動の時代を「幕末」と呼びます。
青天の霹靂
黒船が来航した江戸時代末期は、諸外国が虎視眈々と日本を狙っていた時期です。それでも、長く鎖国が続いてきた日本に黒船が現れたのは「青天の霹靂(へきれき)」だったでしょう。
青天の霹靂とは、青く晴れ渡った空に突然激しい雷鳴が起こることから、予期しない突発的な事件が起こることを指した言葉です。
今年になって平和な時を刻んでいた日本を突如襲ったコロナ禍も、青天の霹靂といえるでしょう。命に関わる感染症という意味では、黒船の襲来を上回る出来事だったかもしれません。
全国に緊急事態宣言が発出され、息をつめるように自宅に潜んでいた時期はさながら戦時中のようでした。
災い転じて福と成せるか
しかし、コロナ禍は、日本で一向に進まなかったリモートワークを一気に普及させました。そして、都心の一等地にオフィスを構えて高い家賃を払うことがいいのか、考えさせるきっかけとなりました。
地方創生が叫ばれ、東京一極集中を是正しようというさまざまな試みは、これまでなかなか効を奏してきませんでした。それが、コロナ禍をきっかけに、一極に集中するリスクを浮き彫りにしました。
これからは、東京から地方に移住して密を避けつつ、リモートワークで東京の仕事を請け負うスタイルが一般化するかもしれません。
新型コロナウイルスという新たな黒船により、今まで根強く膠着していた日本の慣習が大きく変わり、災い転じて福と成すことができれば、新型感染症に対峙して勝利することに並んで、大きな意味のある時代になるでしょう。
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さて、今日はここまでにしましょう。
では、また!
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(2020.7.8記)