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さて、「今日の一言メモ」第524回です。
「剛毅木訥 仁に近し」
「剛毅木訥 仁に近し」(ごうきぼくとつ じんにちかし)とは、意思が強く強固で、素朴で口数が少ない人物が、道徳の理想である仁に最も近い者であるという意味です。
「剛毅」とは、意思が強く、たやすく屈しないこと。「木訥」は、飾り気がなく無口なこと。「仁」は、他人を思いやる心を元にして自己を完成させる最高の徳のことで、道徳で理想とされる観念です。『論語・子路』に登場する言葉だそうです。
対義語としては、「巧言令色 鮮し仁」(こうげんれいしょく すくなしじん)があります。言葉巧みで、人から好かれようと愛想を振りまく者には、誠実な人間が少なく、人として最も大事な徳である仁の心が欠けているものだという意味です。
「巧言」とは、口先巧みに言葉をあやつることで、「令色」とは、人にへつらうような愛想のよい顔つきのことを指します。「鮮し」は「少なし」と同意ですが、原典に沿えば「鮮し」と書くそうです。
政治家の顔が思い浮かぶ
安倍首相の突然の辞意表明に伴う自民党総裁選は、9月8日に告示され14日に投開票が行われます。連日、総裁候補の動きがニュースに登場します。そして、それをとりまく議員諸氏の顔が映ります。
誰が「剛毅木訥」で、誰が「巧言令色」なのか分かりませんが、多くの「仁」を持った人物を選挙で選ぶのが我々有権者の責任でしょう。
他人を思いやる心を元にして自己を完成させる
人として生きていれば、いつも他人を思いやる余裕がないときもあるでしょう。特に自分や家族が病気や事故、災害に遭ったときは、それに対応するのに精一杯になります。
今は、過去最大級の勢力となっている台風10号により被害を受けそうな地域の方々、過去の災害でいまだに復旧復興に尽力されている方々に思いを致せば、自分にできることはなんだろうと考えてしまいます。
自らが健康で、きちんと生活できているならば、他人を思いやる心を忘れずに過ごし、自己を少しでも完成に近づけるように努めなければ、と自戒の念を新たにします。
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さて、今日はここまでにしましょう。
では、また!
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(2020.9.5記)