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【今日の一言メモ】・・・昭和の東京オリンピックが開会した日に、当時感じた「初心」に改めて思いを致し、これからも「先ず隗より始めよ」を旨とする

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さて、「今日の一言メモ」第554回です。

「先ず隗より始めよ」

「先ず隗(かい)より始めよ」とは、遠大な事業や計画を始めるときには、まずは手近なところから着手するのがいいという例えです。また、物事は言い出した者から始めよという例えでもあります。

「隗」とは、中国の戦国時代の人物、郭隗のこと。どうすれば賢者を招くことができるかと燕の昭王に問われたときに郭隗が、「まず私のような凡人を優遇することから始めて下さい。そうすれば優秀な人材が集まってくるでしょう」と言ったという、『戦国策・燕』にある故事に基づくそうです。

10月10日といえば昭和の東京オリンピック

ところで、今日の日付10月10日といって思い出すのは、僕たちの世代だったら昭和の東京オリンピックではないでしょうか。今から56年前の今日、第18回夏季オリンピック東京大会の開会式が行われました。

この大会は、アジア地域で初めて開催されたオリンピックでした。また、有色人種国家における史上初のオリンピックでもあったのです。

第二次世界大戦の敗戦後、急速な復活を遂げた日本が、再び国際社会の中心に復帰するシンボル的な意味を持つ重要な大会でした。

この年に開通した世界最速を誇る「夢の超特急」東海道新幹線や、東名・名神高速道路と共に、当時8才だった僕の幼な心を膨らませ、胸を張りたくなるような、ワクワクする出来事だったのです。

開会式当日の10月10日は、それこそ典型的な秋晴れ、素晴らしい青空に航空自衛隊ブルーインパルスが綺麗に五輪の輪を描いたことを鮮明に覚えています。

あのとき感じた初心を忘れない

昭和の東京オリンピックで各国の選手たち、特に日本の選手たちが演じた死闘、そして栄光をつかむまでの試練の数々は、その後の僕の人生を決定づける「初心」を育んでくれたように思います。「初心」については、このブログでも何度か記事にしていますが、ここでリマインドしておきます。

能楽で有名な世阿弥は「風姿花伝」をはじめとする多くの著作で、印象深い言葉を残していますが「初心忘るべからず」もその一つです。

「初心忘るべからず」とは、一般的には「初めの志を忘れてはならない」と言う意味で使われていますが、世阿弥が意図するところは少し違います。

世阿弥にとっての「初心」とは、新しい事態に直面した時の対処方法、すなわち、試練を乗り越えていく考え方を意味しています。

つまり、「初心を忘れるな」とは、人生の試練の時に、どうやってその試練を乗り越えていったのか、という経験を忘れるなということなのです。

世阿弥は、晩年60歳を過ぎた頃に書かれた『花鏡』の中で、「初心」についてまとまった考えを述べています。

その中で世阿弥は、「第一に『ぜひ初心忘るべからず』、第二に『時々の初心忘るべからず』。第三に『老後の初心忘るべからず』」の、三つの「初心」について語っています。

「ぜひ初心忘るべからず」

若い時に失敗や苦労した結果身につけた芸は、常に忘れてはならない。それは、後々の成功の糧になる。若い頃の初心を忘れては、能を上達していく過程を自然に身に付けることが出来ず、先々上達することはとうてい無理というものだ。だから、生涯、初心を忘れてはならない。

「時々の初心忘るべからず」

歳とともに、その時々に積み重ねていくものを、「時々の初心」という。若い頃から、最盛期を経て、老年に至るまで、その時々にあった演じ方をすることが大切だ。その時々の演技をその場限りで忘れてしまっては、次に演ずる時に、身についたものは何も残らない。過去に演じた一つひとつの風体を、全部身につけておけば、年月を経れば、全てに味がでるものだ。

「老後の初心忘るべからず」

老齢期には老齢期にあった芸風を身につけることが「老後の初心」である。老後になっても、初めて遭遇し、対応しなければならない試練がある。歳をとったからといって、「もういい」ということではなく、其の都度、初めて習うことを乗り越えなければならない。これを、「老後の初心」という。

現代の知識を謙虚に学び、経験を活かした知恵を生み出す

いくつになっても自らをアップデートし、この世界で正しく過ごしていくためには、新たな技術を習得し卓越した術 (すべ) を身に付けた人物に教えを乞い、新たな知識を学ぶ必要があります。教えを乞う方の年齢性別は関係ありません。

それは、自分が70歳になっても80歳になっても変わらないと思うのです。そして、身につけた知識を活かし、自分が積み重ねた経験を加味した知恵を生み出し、今の時代に本当に役立つものを提供し続けていきたいと思います。

その過程で「初心」の教えを思い出し、「先ず隗より始めよ」の精神を忘れず取り組んでいくつもりです。

・・・・・・・
さて、今日はここまでにしましょう。
では、また!

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(2020.10.10記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

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