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さて、「今日の一言メモ」第647回です。
「君子は豹変す」
「君子は豹変す」とは、徳の高い立派な人物は、過ちに気づけば即座にそれを改め正しい道に戻るものだという意味です。また、状況によって態度や考えを急に変えるものだという例えでもあります。
「君子」とは、学識・人格ともに優れた立派な人のことで、豹の毛が季節によって抜け変わり、斑紋がはっきりと目立つことから転じて、態度ががらりと変わることを「豹変する」といいます。
本来は、過ちを直ちに改めるの意味で使われていましたが、現在では、自分の都合により態度を一変させる、悪いほうに変わるという意味で使われることが多くなりました。
古代中国の書物である『易経・革卦』(えききょう・かくか)にある「君子豹変す、小人は面を革む(君子が過ちを改めることは、豹の模様のようにはっきりしている。しかし小人はただ外面を改めるだけである)」に基づくそうです。
変わらないために変わり続ける
僕の「座右の銘」の一つに、「変わらないためには、変わり続けなければいけない」という言葉があります。
禅問答のようですが、要するに今のいい状態が「変わらない」ためには、そのいい状態を生み出しているプロセスは、常に「変わり続けなければいけない」ということになります。
今の僕は、生き方を「人さまに貢献するために精進し続けること」と定めていますが、これは僕の基軸であり「Being」(あり方)です。
この生き方を変えずにいるためには、精進の仕方を環境の変化に応じて随時変えていく必要があるでしょう。
具体的には、どんな仕事に取り組むか、どんな本を読むか、どんな人と付き合うか、どこに住むかということです。それが「Doing」(やり方)になります。
「Doing」(やり方)は朝令暮改も厭わない
一般的に「朝令暮改」というと、悪い意味で使われます。辞典にもそう載っています。
ちょうれい‐ぼかい 【朝令暮改】 – 国語辞書(大辞泉)
朝に出した命令を夕方にはもう改めること。方針などが絶えず変わって定まらないこと。朝改暮変。
もともとは中国の故事で、法令や政令が朝に出されても夕方には変更されるのであてにならない、という意味だそうです。(Wikipedia参照)
一方、イトーヨーカドーの創業者である鈴木敏文氏の著書に「朝礼暮改の発想」があります。事業展開にあたって、めまぐるしく変化する時代に対応する姿勢として、柔軟に対応していく重要性を説いた内容です。すでに絶版となっていますが……。
法令や政令等が1日で変わったら混乱するし、誰も従わなくなると思いますが、個人の場合は「Doing」(やり方)がうまくいかなければすぐに変えることは「アリ」だと思います。
気まぐれで指針やスタンスをコロコロ変えるのは論外として、懸命に試行錯誤してみて、その結果を判断してすぐにやり方を変えた方がいいと思えば変えてOKだと思うのです。それが例え1日の間に起こった事だとしても。
逆に、一度決めたことだからとそれに固執することはかえって悪い結果を招くことになるでしょう。
「Being」(あり方)さえしっかり持っていれば、「Doing」(やり方)はトライ&エラーを繰り返し、その時々の環境や状況に応じて一番フィットするものに変えていくのがベストの選択だと思います。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2021.1.21記)