(画像出典元はこちら)
さて、「今日の一言メモ」第734回です。
「人こそ人の鏡」
「人こそ人の鏡」とは、他人の言動は鏡に自分をうつす鏡のようなものだから、他人を見て自分を改める参考にせよという意味です。
鏡に自分の姿をうつして正すように、他人の言動は自身を正すのによい手本になるということです。「人の振り見て我が振り直せ」とも言いますね。
中国古代の歴史書である『書経』に「人は水に鑑みること無く、当に民に監みるべし」(水鏡に自分をうつして見ることをせず、人民の声によって我が身を反省するのがよい)とあるのに基づくそうです。
他者から学んでも、他者と自分の優劣を比べることをしない
他者を手本とし自分を正していくことと、他者と自分の優劣を比べることはまったく違います。
他者と自分の優劣を常に意識し、自分が優れているのはどこか、自分が劣っているのは何かということばかり意識して生きることは、すなわち他者を常に競争相手としてみていることになります。
学生時代は受験競争を戦い、会社に勤めてからは出世競争にうつつを抜かしていれば、そうならざるを得ないかもしれません。
僕も33年間、会社勤めをしていましたが、そこから出て広い世間を経験すれば、所詮一つの会社の中など、金魚鉢みたいにちっぽけなものに過ぎなかったと痛感しています。
そんなちっぽけな所で出世競争を演じて疲弊するなど、人生の無駄遣いだとつくづく思うのです。
比べるべきは、昨日の自分と今日の自分
他者も自分も同じ大地を歩いていて、どっちが前に出るか、負けないで歩くにはどうしたらいいか、という考え方ではなく、一人ひとり違う平面(レイヤー)を進んでいるという考え方をしたらどうでしょう。
そのレイヤーは、どちらが上とかどちらが下とか関係なく、どこまでいっても交わることのないレイヤーです。
なので、他者がどのレイヤーを進んでいようと、自分と比べる必要もありません。自分と異なるレイヤーの前の方を進んでいるように見えても気にすることもありません。追い抜くことはできないし、追い抜かれることもないからです。
大切なことは、自分が前を向いて着実に進むことです。立ち止まったり、逆戻りすることなく、着実に前に進んでいれば良いのです。
他者と自分はあくまで「異なるレイヤーに存在する対等の存在」です。そう考えることができれば、他者は「競争相手」ではなく、共に前を向いて進む「仲間」になるはずです。
・・・・・・
さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
・・・・・・・・・・・・
(2021.6.3記)