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閑話休題。
「スリーマイルデー」
今日3月28日は、「スリーマイルデー」です。今から43年前の1979年(昭和54年)3月28日、アメリカ・ペンシルバニア州のスリーマイル島で原子力発電所の事故が発生しました。スリーマイル島(Three Mile Island)の頭文字をとって「TMI事故」とも言われています。
そして、この重大な事故を忘れず教訓とする日として「スリーマイルデー」が制定されたのです。
Wikipediaによると、『原子炉冷却材喪失事故(Loss Of Coolant Accident, LOCA)に分類され、想定された事故の規模を上回る過酷事故(Severe Accident)である。国際原子力事象評価尺度(INES)においてレベル5の事例である』と記載されています。
原子力発電の仕組み
ここで、原子力発電の仕組みをおさらいしておきます。
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原子力発電は、水の入った原子炉の中で、ウランおよびプルトニウムが核分裂するときに発生する熱を利用して蒸気を作ります。蒸気でタービンを回して電気を作るという点では、石炭や石油、天然ガスによる火力発電と同じ仕組みですね。
そして、タービンを回し終えた蒸気は、復水器内で冷却され、水となって再び給水ボンプにより原子炉に戻されます。復水器で蒸気を冷却する冷却水には海水を使います。
このため、原子力発電所は海岸に近い立地に立てられるわけです。海との標高差が低かった福島原発は、津波対策の不備を露呈し、東日本があわや壊滅という危機を招きました。
原発再稼働はどうなのか
原発については、このブログでも繰り返し再稼働に疑問を呈してきました。人間が100%制御することができず、核廃棄物の問題も解決できない現状で、原発を存続させるのは、後世の子や孫に対して禍根を残す無責任な行為だと思うからです。
一方で、進む地球温暖化対策としてCO2を出さない原子力発電の優位性が説かれています。火力発電は石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料を燃やし、その熱エネルギーを利用して発電を行っているため、発電の過程でCO2を排出します。
原子力発電は、ウラン燃料が核分裂した時に発生する熱を利用して発電しているため、太陽光発電や風力発電と同じように発電時にCO2を排出しません。原子力発電は地球温暖化防止の観点で、優れた発電方法というわけです。
また、先日の地震により火力発電所が操業一時停止に追い込まれ、広範囲に発生した停電は、日本の電力供給力の脆弱さを露呈したものでした。供給力の脆弱性を補強するためには、原発再稼働が必須という議論もあります。
原発再稼働については、さまざまな議論がありますが「原子力ムラ」の存在による圧力があるのは容易に想像できます。(「原子力ムラ」についてはこちらのブログ記事を参照)
今回のロシアのウクライナ侵攻により、36年前に起きたチェルノブイリ原発事故が久しぶりに話題になりました。このときの原子力事故は、国際原子力事象評価尺度(INES)ではスリーマイルを上回る深刻な事故を示すレベル7に分類されています。福島第1原発事故も、チェルノブイリ原発事故と同じレベル7です。
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原子力発電は、あくまで「つなぎ」の手段であり、自然エネルギー、再生可能エネルギーと呼ばれる手段に早い時期にその地位を譲るべきでしょう。しかし、このまま自民党と原子力ムラの選挙の票をめぐる関係が続けば、それは危ういのではないでしょうか。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2022.3.28記)