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さて、『今日の一言メモ』第895回です。
「千丈の堤も蟻の穴より崩れる」
「千丈の堤も蟻の穴より崩れる」とは、ほんのわずかな不注意や油断から、大きな失敗や損害に至ることもあるという意味です。
蟻が堤防に作ったほんの小さな穴であっても、放置してしまうと大きくなり、ついには大きくて頑丈な堤防を崩してしまうことがあるということから、このように言われています。
中国戦国時代の法家である韓非の著書「韓非子」喩老に、「天下の難事は必ず易きよりなり、…千丈の堤も螻蟻 (ろうぎ) の穴を以て潰 (つい) ゆ」とあるのに基づくそうです。
「神は細部に宿る」
「千丈の堤も蟻の穴より崩れる」という言葉からは、「神は細部に宿る」という言葉を連想します。
もとは、建築の世界で言われていた言葉のようですが、一流の建築物は見かけの表面だけでなく、その構造から目に見えない部分に至るまで、実に細やかな仕事で成り立っているいることを指した言葉です。
そこから、本当に素晴らしい技術やこだわりは目に見えにくいことの例えとして用いられています。
顧客接点が「真実の瞬間」
更にビジネスの世界、特にサービス業において「神は細部に宿る」のは、顧客と接する瞬間でしょう。
その瞬間を、「真実の瞬間」と呼んだのは、1980年代に赤字に苦しんでいたスカンジナビア航空をわずか1年で立て直したヤン・カールソンです。
同名の書籍に、その内容は詳しいのですが、ヤン・カールソンは顧客と接するわずか15秒の間に最善のサービスを「提案、決定、実行」できるよう、現場への大胆な権限移譲を断行したのです。
リモートワークの限界
この2年間、コロナ禍により人と対面で接する機会がめっきり減ってしまいました。ビジネスの世界もテレワーク、リモートワークといった在宅勤務スタイルが定着し、画面を介したコミュニケーションが当たり前になると共に、その限界も明らかになりつつあります。
やはり画面を通してでは、空気感や雰囲気、何気ないニュアンスといったものは通じにくく感じます。また、カメラやマイクの品質によってコミュニケーション密度が左右されます。
電子メールなどによる文字のやり取りに比べれば、ZoomやTeamsによるビデオ会議は圧倒的にコミュニケーションの質を高めますが、対面によるコミュニケーションに比べると一歩劣り、あくまで補完的な地位にいると感じます。
もっともVRなどの技術進歩により、あたかも現実に存在するような仮想現実が実現すれば違うと思いますが、それまではまだ時間がかかりそうです。
特に、地方とのやり取りにリモートワークは欠かせませんが、やはりその土地の美味しいものは自分の口をそこに持っていかないと楽しめませんから……😅
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2022.5.8記)