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さて、『今日の一言メモ』第953回です。
「飛ぶ鳥を落とす勢い」
飛ぶ鳥を落とす勢いとは、威勢・権勢がきわめて盛んな様を表現しています。空を飛ぶ鳥でさえも地に落ちてしまうほどの勢いという意味からこう表現されています。単に「飛ぶ鳥を落とす」とも、「飛ぶ鳥も落つ」ともいうそうです。
同意の言葉に「破竹の勢い」があります。これはは、勢いが激しくて、とどめることができないこと、猛烈な勢いで進んでいく様を表したものです。
刃物で竹を割ると、最初の一節が割れればあとは一気に割れていくことから、こう表現されるようになりました。
『晋書』杜預伝の「今兵威已(すで)に振(ふる)う。譬(たとえ)ばを竹を割るが如(ごと)し。數節(すうせつ)の後、皆刃(やいば)を迎へて解け、復(また)手を著(つ)くる処(ところ)無し。」(今こちらの軍の兵威は盛んであり、それは例えるならば竹を割るときのようなもので、刃を当てれば数節の先まで割れてしまうのだから手を施すことはもう何もない)に基づくそうです。
「驕る平家は久しからず」
一方で、「驕る平家は久しからず」という言葉があります。栄華をきわめた平家の天下も長く続くことはなかったことから、権勢を誇り驕慢になった者は必ず失脚するという意味で使われます。
かつての政治情勢は、安倍一強時代と言われる期間が長く続きました。しかし、一連の不祥事やらコロナ禍への対応のまずさなどで支持率を落とし、ポスト安倍に関する話題が何かとかまびすしくなった時代へと移りました。
その安倍元総理も、一発の凶弾に倒れ無念の死を遂げることになってしまいました。改めてその偉業を偲び、ご冥福を祈りたいと思います。
自信→過信→慢心→傲慢、という下り坂を転げ落ちないために
人間調子が良い時は、ついつい慢心して油断しがちです。いい時があれば悪い時もある、と頭では分かっていても、「勝って兜の緒を締めよ」と呟いてみても、心の奥底ではまだまだ大丈夫と高を括ってしまいがちです。
「自信は過信に流れる。そして過信を放っておくと、慢心に化ける。慢心はやがて増幅され、傲慢になる」という言葉があります。
自信→過信→慢心→傲慢、という下り坂を転げ落ちないように、より高次元のセルフチェックの術を身につける必要があるでしょう。
そのために、フランスの経済学者であるジャック・アタリ氏が、その著書「2030年ジャック・アタリの未来予測」の中で書いている次の言葉を常に反芻し、心して身を処していくことも一法と思います。
「起きるわけがない」と決めつけても、どんなことだって起こりうる。
そうした最悪の事態を予測することこそが、最悪を回避する最善の手段なのだ。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2022.8.3記)