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さて、『今日の一言メモ』第1019回です。
「過ちては改むるに憚ること勿れ」
「過ちては改むるに憚る(はばかる)こと勿れ(なかれ)」とは、過ちを犯したことに気づいたら、体裁や体面などにとらわれず、ただちに改めるべきだという戒めです。
『論語・学而』に「真面目で誠実であることを目標とし、自分に及ばない者を友としてはいけない。過失を犯したことに気づいたら、すぐに改めなければならない。」とあるのに基づく教えだそうです。
寛容の精神でコトに当たる
雲一つなく晴れ渡った今日11月16日は、「国際寛容デー」だそうです。今から27年前の1995年(平成7年)11月16日に、ユネスコ総会で「寛容原則宣言」と「国連寛容年のためのフォローアップ計画」が採択されました。
これを記念して、1996年(平成8年)12月12日の国連総会で制定された記念日です。国際デーの一つで、英語では「 International Day for Tolerance 」と表します。
過ちを犯した人が、その過ちを認め謝罪し、直ちに改めるとしたら、寛容の精神で対処したいものです。どんな経緯(いきさつ)があろうと、過ちを悔いて改める人は、自分の体裁や体面との葛藤があったはずです。
その葛藤を乗り越え、改める決心をしたのですから、過ちを犯したことをいつまでもあげつらうことは、寛容の精神にもとります。とはいえ、神や仏と違って生身の人間ですから、内心忸怩たる思いはあることでしょう。でもまあ、痩せ我慢でもいいので、大人の対応を心掛けたいものです。
自分と他人は違うレイヤー(層)に生きている
生きていれば色々ややこしいことに悩まされることも多いでしょう。そうしたややこしいことに苛立つ原因の多くは人間関係に、特に自分と他人と比較することにあるのかもしれません。
「常識では考えられない」という場合の常識の中には、言ってみれば自分だけの常識が含まれています。「なぜ、あの人はあんなことをするのか(言うのか)」と思うのは、自分と比較するからでしょう。
そうした比較をするのは、自分と他人が同じレイヤー(層)に生きていると考えているからではないでしょうか。もし、自分と他人は違うレイヤー(層)に生きているのだ、と思うことができれば、いたずらに比較することはなくなり、ストレスも減ると思うのです。
違うレイヤー(層)といっても、どちらが上とか下とかではありません。分かりやすくするために、自分より年上の人は上のレイヤー(層)にいて、年下の人は下のレイヤー(層)にいる、と考えてもいいかもしれません。別に歳が上だから偉いというわけではありません。
人間関係で摩擦が生じるのは、「人は人、自分は自分」と割り切れず(あるいは割り切ってもらえず)、他人を自分のレイヤーに引きずり込もうとしたり、他人のレイヤーに引きずり込まれそうになった時に起きると考えられます。
他人が過ちを犯せば、自分も過ちを犯します。過ちに気がついたらただちに改め、それぞれのレイヤーの境界を侵さないように注意して過ごしてはいかがでしょうか。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2022.11.16記)