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「智に働けば角が立つ」
智に働けば角が立つとは、理性のみで動こうとすると、人間関係がぎすぎすするため穏やかに暮らせなくなるという意味です。
夏目漱石の『草枕』冒頭にある「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」から引用された言葉です。
「智」は「知」とも書くそうです。
理性・情・意地のバランスをとるために柳を見習う
世に「木強ければ折れ易し」と言います。柳の枝は、細くて頼りないですが、どんな強風にも逆らわずにいることで、決して折れません。
人間も、心を堅く閉ざしていると、人生という激流に翻弄されまいと踏ん張ってしまい、結局心折れてしまうかもしれません。
かえって、激流に翻弄されているように見えて、巧みに泳ぎきることで、心折れることなく、しなやかにしたたかに生きていけるでしょう。
人から攻撃されたり、逆境に立たされた時に、真っ向から反撃したり、無理に立ち向かったりせず、うまく抵抗をかわしながら被害を最小限に留めることが有効な対処だと思います。
そして、相手の力をうまく前に進む動力に生かすことができれば、かえって相手のエネルギーを削ぐことも可能です。
何事も、一時の意地に拘ってはいけないでしょう。退却する時は、さっさと退却することに躊躇せず、無駄なエネルギーは使わないことです。
同調圧力の強さにどう対応するか
日本の歴史が農耕社会で育まれたからだと思っていますが、ムラ社会で生きることが宿命づけられていました。そこで、村のルールに従わなければ村八分にされたわけです。
自分の所だけ無農薬で作物を育てたいと思っても、隣り合った畑に害虫の被害が及べばそんなことをするのはワガママだと言われて、農薬を使うことを強制されるでしょう。
こうした同調圧力は良い方向に向かえば良い結果をもたらします。コロナ禍になって、これだけみんながマスクをするようになったのは同調圧力のおかげと言えるかもしれません。
感染が一段落してマスクをする・しないは個人の判断と言われても、結局多くの人が「まわりが外したら自分も外す」と思っているのはいかにも日本人らしい判断です。
日本の社会の中で、悪しき同調圧力にどう対応するかは大きな課題です。
常識の通じる世界に身を置き、柳に風の生き方を通す
いずれにしても、まずは環境を選び常識の通じる世界に身を置けるかどうかがスタートかもしれません。例えば、自分のボスが黒いものでも白いと言い、それに従わなければいけないようなな世界にいるのなら、まずはそこからの脱出を考えないといけないでしょう。
そして、逆風が吹いても無理に立ち向かったりせず、うまく抵抗をかわしながら被害を最小限に留めるように努めていくことが肝要だと思います。難しいことですが……。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2023.4.26記)