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地方創生・・・ 2015年度 “地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金 (地方創生先行型)” 効果検証結果に危惧を感じる (1)

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さて、地方創生に係る各種交付金は、重要業績評価指標 (KPI) として、アウトカム指標を設定し、事業実施後にこれを用いた効果検証を行い、その結果を国に報告するとともに公表することが求められています。

このため、2015年度 (平成27年度) に各自治体宛交付された「地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金 (地方創生先行型) 」について、実績の取りまとめとその成果の検証が終了し、検証結果を公表する事例が見られ始めました。

その検証結果を見て、案の定というか、危惧を感じていた通りになったところがあるのです。

「地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金 (地方創生先行型) 」とは

地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金 は、「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」に盛り込まれたもので、地方公共団体が、目的に合った施策を実施するのに使用できる交付金です。

この交付金は、対象となる施策や事業によって二種類に分けられます。地域における消費喚起の施策及びそれに直接的に効果を発揮する生活支援策が対象となる「地域消費喚起・生活支援型」と、総合戦略においてのしごとづくりなどの事業が対象の「地方創生先行型」です。

「地域消費喚起・生活支援型」のメニュー例としては、域内消費喚起を目的としたプレミアム付き商品券、域外消費に焦点を当てたふるさと名物商品券や旅行券、生活支援のための低所得者向け灯油等購入助成、低所得者向け商品・サービス購入券といった事業のほか、多子世帯支援策があります。

「地方創生先行型」のメニューは、地方自治体に義務付けられた「地方版総合戦略の策定」をはじめ、UIJターン助成、地域しごと支援事業等といった働くことに関する施策、創業支援・販路開拓、観光振興・対内直接投資、多世代交流、多機能型ワンストップ拠点などが挙げられます。

「地方創生先行型」は、当初1,700億円の予算が組まれ、基礎交付分1,400億円と上乗せ交付分 (タイプⅠ、タイプⅡ) で300億円となっていました。

交付条件は、KPIの設定と効果検証などのPDCAが必須

過去、お役所仕事は「やりっ放し」と言われてきました。それは、例えば交付金を使って、箱モノを作って「ハイ、終わり」ということを指します。

その作った箱モノ、例えば商業施設について、その後の事業採算は取れているのか、といった視点が地方行政には欠落していたというのです。

その結果、2014年9月に石破茂氏が地方創生担当大臣に就任した時、過去の検証をしようとしても、各省庁からは失敗事例が見事にひとつも上がってこなかったとか。

これではいかんと、地方創生先行型交付金では、交付条件として交付金の申請にあたってKPIの設定と効果検証などのPDCA確立が義務付けられました。

形式的なKPIとPDCAになったのではないか?

2015年4月に、内閣府地方創生推進室が取りまとめた、基礎交付分取り組み事例集があります。(こちらの資料参照)

この事例集の中に、重要業績評価指標 (KPI) の項目があるのですが、いきなり次のような指標が目に飛び込んできます。

◯ 新設するFacebookページ「いいね!」数 : 5,000
◯ 研修プログラム参加者数 : 短期 50名、中長期 5名

この事業は「地域コーディネーター養成機関創出事業」となっています。

う〜む・・・交付金14,500千円を得て行う事業のKPIが、Facebook「いいね!」の数でいいのでしょうか…

こうしたKPIを国が認めて、交付金が交付されているわけです。

そして、そのツケが効果検証結果に表れてきたように思うのです。ちょっと長くなってきましたので、それは次回に。

・・・・・・・
というわけで、今日はここまでにしますね。
ではまた!
 
 
・・・・・・・・・・・・
(2016.9.19記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

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