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さて、今日は「ノーベル賞制定記念日 」です。
「ノーベル賞制定記念日」の由来
ノーベル賞は、スウェーデンの化学者ノーベルが遺言で、自らの発明したダイナマイトで得た富を人類に貢献した人に与えたいと記したことから創設されました。
ノーベルが遺言に署名したのが、1985年の11月27日だったことから、この日がノーベル賞制定記念日になったのです。
そして、その後1901年 (明治34年) にノーベル賞の第1回授賞式が行われました。
ノーベルの遺産を元にした基金168万ポンドで、毎年その利子が、物理学・化学・生理学医学・文学・平和事業の5分野に貢献した人に贈られています。1969年 (昭和44年) には、経済学賞が追加されました。
毎年ノーベルの命日の12月10日に、平和賞はオスロで、その他の賞はストックホルムで授賞式が行われています。
「ノーベル賞制定記念日」を迎えて
2016年は、ノーベル賞の生理学医学賞に東京工業大学/大隅良典栄誉教授が、見事選ばれました。
日本人の受賞は、1987年の利根川進氏、1994年の大江健三郎氏からしばらく途絶えていましたが、2000年に白川英樹氏が受賞すると翌01年には野依良治氏、02年には、田中耕一、小柴昌俊両氏のダブル受賞と日本人受賞が3年続きました。
白川氏からの17年間で、南部陽一郎氏 (受賞時に米国籍) を含む17人が受賞し、毎年1人のペースで日本は世界最高賞の受賞者を輩出していることになります。
2015年までの、日本人ノーベル賞受賞者は以下の通りです。
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印象に残った大隅良典教授の言葉
今年受賞された大隅教授の研究対象は、「オートファジー」でした。その仕組みを解明し、この分野の研究を飛躍的に発展させたことが評価されたわけです。
ここで、改めて「オートファジー」とはなんぞや、ですが・・・
生物の体内では、古くなった細胞や外部から侵入した細菌などを食べるお掃除細胞、マクロファージがよく知られているが、人体に数十兆個あると言われる細胞ひとつひとつの中でも、古くなったタンパク質や異物などのゴミを集めて分解し、分解してできたアミノ酸を新たなタンパク質合成に使うリサイクルシステムが働いている。このリサイクルシステムのうち分解に関わる重要な機能がオートファジーだ。
ということです。
そして、受賞後に基礎研究の重要性について強調した、教授の言葉が強く印象に残っています。
「 “役に立つ” という言葉が、とても社会をダメにしていると思う。本当に役にたつのは、10年後か20年後か、あるいは100年後かもしれない。社会が将来を見据えて科学を一つの文化として認めてくれるようにならないかと強く願っている」
う〜ん・・・とにかく早く結果を求める現在の風潮は、確かに改めるべきところが多いでしょう。それは、個人の生き方についても同じです。
奇しくも、年末ジャンボ宝くじが発売開始となり、発売日には最高10億円の当選金を夢見る人たちが、雪の降る寒さの中、銀座の販売所に長い列を作っていました。
抽選日までの間、10億円当たったらどうしよう、と妄想を膨らませるのは確かに楽しいですが、そうなる確率は天文学的に低いわけで・・・
やっぱり短絡的に手っ取り早く大金を手にすることなど考えず、コツコツ積み重ねて、目的に近付くことが大切ですね。基礎研究と同じように・・・
今日もまた、イチロー選手の言葉を思い出します。
「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。」
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2016.11.27記)