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さて、今日の故事ことわざは、「握れば拳 開けば掌」です。
「握れば拳 開けば掌」とは?
たとえ同じ物でも、気持ちや状況しだいで様々に変化するということの例えです。
同じ手でも、握れば人を殴る拳となり、開けば人をなでる掌になることから、こう表現されるようになりました。
大政奉還とベルリンの壁崩壊
ところで、今日11月9日の過去を振り返ってみると、世の中の体制が大きく変わった出来事が二つありました。
一つは、日本で大政奉還があった日で、もう一つは、ドイツでベルリンの壁が崩壊した日です。
今から150年前の1867年11月9日 (慶応3年10月14日)に、徳川慶喜が二条城で大政奉還を宣言しました。
江戸時代、徳川将軍は日本の統治者として君臨していましたが、形式的には朝廷より将軍宣下があり、幕府が政治の大権を天皇から預かっているという形だったのです。
幕末になると、朝廷が自立的な政治勢力として急浮上してきます。
主にペリー来航などによる対外問題において、幕府との溝が深まりました。こうして幕府権力の正統性が脅かされる中で、幕府は朝廷に対して大政委任の再確認を求めるようになりました。
慶応3年10月の徳川慶喜による大政奉還は、それまでの朝幕の交渉によって再確認された「大政」を朝廷に返上するもので、江戸幕府の終焉を象徴する歴史的事件でした。
そして、今から28年前の1989年11月9日に、ベルリンの壁が崩壊し、東西ドイツの国境検問所で市民の通行が自由化されました。
ことの発端は、東ドイツ政府が東ドイツ市民に対して、旅行許可書発行の大幅な規制緩和を「事実上の旅行自由化」と受け取れる表現で誤発表した事にありました。
実際に壁の人為的・物理的破壊が始まったのは11月10日ですが、崩壊の日付は、その起源である国境検問所のゲート開放が行われた11月9日とされているようです。
激動する国際情勢の中で
現在は、中国・北朝鮮を中心とする東アジアの情勢が、時々刻々と変化し、戦後最大の安全保障の危機を迎えていると言われています。
トランプ大統領の東アジア歴訪の最中、そしてその後、さて、一体何が待ち構えているのでしょうか。
戦後の平和の中で惰眠を貪り、平和ボケしてしまったとも言われる我々日本人です。自然災害と共に、国際情勢次第で大きく局面が変わることに備え、常に「常在戦場」の心持ちで過ごすことが必要かもしれません。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2017.11.9記)