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さて、「今日の一言メモ」第263回です。
「握れば拳 開けば掌」
「握れば拳 開けば掌」とは、たとえ同じ物でも、気持ちや状況しだいで様々に変化するということの例えです。
同じ手でも、握れば人を殴る拳となり、開けば人をなでる掌になることから、こう表現されるようになりました。
大政奉還とベルリンの壁崩壊
ところで、今日11月9日の過去を振り返ってみると、世の中の体制が大きく変わった出来事が二つありました。
一つは、日本で大政奉還があった日で、もう一つは、ドイツでベルリンの壁が崩壊した日です。
今から152年前の1867年11月9日 (慶応3年10月14日)に、徳川慶喜が二条城で大政奉還を宣言しました。
江戸時代、徳川将軍は日本の統治者として君臨していましたが、形式的には朝廷より将軍宣下があり、幕府が政治の大権を天皇から預かっているという形だったのです。
幕末になると、朝廷が自立的な政治勢力として急浮上してきます。
主にペリー来航などによる対外問題において、幕府との溝が深まりました。こうして幕府権力の正統性が脅かされる中で、幕府は朝廷に対して大政委任の再確認を求めるようになりました。
慶応3年10月の徳川慶喜による大政奉還は、それまでの朝幕の交渉によって再確認された「大政」を朝廷に返上するもので、江戸幕府の終焉を象徴する歴史的事件でした。
そして、今から30年前の1989年11月9日に、ベルリンの壁が崩壊し、東西ドイツの国境検問所で市民の通行が自由化されました。
ことの発端は、東ドイツ政府が東ドイツ市民に対して、旅行許可書発行の大幅な規制緩和を「事実上の旅行自由化」と受け取れる表現で誤発表した事にありました。
実際に壁の人為的・物理的破壊が始まったのは11月10日ですが、崩壊の日付は、その起源である国境検問所のゲート開放が行われた11月9日とされているようです。
大きなパラダイムシフトには、大きな混乱が伴う
手は、握れば拳、開けば掌と瞬時にその形を変えることができます。一方で、大政奉還やベルリンの壁崩壊などのように、社会の仕組みが大きく変わる時には、それに伴う混乱も大変なものだったでしょう。
個人の生き方でも、そうした青天の霹靂のような出来事が起きることがあります。大地震などの災害、勤務している会社の突然の倒産、昨日まで元気だった家族や親しかった友人の急死など悲しい出来事もそうですが、飲み屋で貰った宝くじ1枚が当たって大金を手にしたようなラッキーな人もいるでしょう。
どちらにしても、それまでのパラダイム (人生の見方や捉え方) を大きく変える出来事になることは間違いありません。
起きた出来事は変えられないが、それをどう捉え、OSをどう書き替えるかが大事
悲しい出来事にしても、ラッキーな出来事にしても、それは個人ではどうしようもないことです。なかったことにはできません。
であれば、起きた出来事をどう捉え、どう対処していくか、にその後の生き方がかかってきます。
宝くじに当たって高額の当選金を手にしても、一概にハッピーとは言い切れません。その後の対処を誤れば、身を持ち崩すこともあるでしょう。
そうならないためには、パソコンのOS (Operation System) にあたる自分自身の「基本的なパラダイム」を正しく書き替えなければなりません。
そのアップデートがうまくいって初めて、その後の人生を正しく歩めると思うのです。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2019.11.9記)